低床・低重心でロールーフという革新的なスタイルで、ミニバン市場に新風を吹き込んだホンダ・ストリーム。初代モデルの勢いは凄まじく、発売からわずか10か月で10万台を超える大ヒットを記録した。7人乗りでありながら、7人乗らない時も十分に楽しめる優れたパッケージングは、まさに神業と言えるだろう。センスの塊だった初代ストリームを振り返ってみたい。
文:佐々木 亘/画像:ホンダ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ミニバンと思えぬほどの低さ! ストリームならミニバンタイプRも夢じゃなかった!?(17枚)画像ギャラリー毎日を楽しむための7シーター
ストリームのコンセプトは「7days 7seater」。日々の生活を楽しむための7人乗りという明確なテーマがあった。5ナンバーサイズの7シーターだからこそ、好きなことを、好きな場所で、好きな仲間と過ごす毎日を楽しめる車として開発されたのだ。
単に広いだけではワクワク感は生まれない。必要だったのは、生活を豊かに彩る7シーターだった。
フロアを低く平らにし、室内高を確保しながらも全高と重心を低く抑えるという独創的な5ナンバースタイルは、どの車にも似ていない唯一無二の存在だった。カテゴリー上はミニバンに分類されるが、セダンの要素もステーションワゴンの要素も併せ持つ、ジャンルレスな車だったと言える。
ストリームは、高次元のスタイリング・快適性・走行性能を一つに凝縮し、従来の車には存在しなかった価値と驚きに満ちていた。令和の現在、このスタイリングが継承されなかったことが不思議でならない。
驚異の多彩なシートアレンジ
ストリームの車内は、見た目以上に広々と感じられる。数値上はそれほど広くないのだが、実際に乗ってみると数字から受ける印象とは大きく異なるのだ。
5ナンバーボディに3列7人乗りを実現するのは極めて困難な設計だが、広めに確保された足元スペースが、シート間のゆとりを生み出している。低床プラットフォームから得られる室内高の大きさも、室内を広く見せる効果的な工夫だ。
基本は7人乗り仕様。フル乗車時でもゴルフバッグが積めるラゲッジスペースを確保している点が素晴らしい。3列目シートは快適とは言い難いが、ある程度の距離なら十分使用できる。
3列目を折りたためば、ステーションワゴンのような5人乗りに変身する。3列目はヘッドレストを取り外すことなく折りたためるリバーシブル仕様だ。2列目シートは左右独立で240mmのロングスライドが可能。座面に厚みを持たせた快適な設計となっている。
また、2列目シートのセンターアームレストを倒せば、長尺物も積載できる4人乗りが完成する。ベンチシートでありながら、アームレストを活用することでキャプテンシートのような使い方ができるのも巧みだ。
2列目シートは左右独立して倒せるため、大型荷物を運ぶ際は片側だけを倒して3人乗りに。さらに2列目まで倒すと、広大なラゲッジスペースが生まれる2シーター仕様となる。
2列目シートを倒した際もラゲッジスペースに大きな段差が生じないよう配慮されている点も優秀だ。また、フロントシートを完全に倒して2列目を起こせば、セミフラットモードというリラックススタイルも実現できる。
この豊富なシートアレンジが、様々な世代から支持を集めるストリームの大きな魅力となったのだ。




















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