クルマに乗られてきた方なら、誰しも「忘れられない1台」があるかも知れない。手前味噌ながら、企画担当にとってそれは2代目マーチになる。とくに手を入れたわけでもないし、パフォーマンスの良い悪いなんてさっぱりわかっていなかったが、生活のよき相棒だったのだ。
で、ベストカーWebに訪れていただいている方々にはおなじみの、4人の自動車評論家。文字通り浴びるほどの種類のクルマに乗ってきた4氏に、「もう一度乗りたい! 忘れられないコンパクトカー」を聞いてみた。
●【画像ギャラリー】KP61型、スーパーターボ…往年の“スーパーコンパクト”たちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年3月のものです
文:渡辺陽一郎、国沢光宏、斎藤 聡、清水草一/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年4月10日号
■“トヨタの人馬一体感” KP61型スターレット
(TEXT/渡辺陽一郎)
1978年に発売されたKP61型スターレットは、車両重量が700kg前後のボディに、1.3Lエンジンと後輪駆動を組み合わせた。軽くて前後輪の重量配分も優れ、運転感覚は今のマツダ車以上に人馬一体、手足のように操れた。
危険を避ける時でもコントロールを失いにくく、衝突安全性や安全装備の充実度はゼロでも、常に安心して運転できたコンパクトだ。
今のクルマが退屈に感じたり、若者が離れる理由もさまざまだが、あの一体感が得にくくなったことも背景にあるだろう。付加価値は皆無でも、運転する実感は濃厚。もう一度乗りたいね。
●渡辺陽一郎はKP61型スターレット
■日産 マーチスーパーターボ…今あればラリー4クラスでWRCに出たのに!
(TEXT/国沢光宏)
今乗りたい、というより「今あったらいいね」と思えるのはマーチスーパーターボ。あんなクルマを今のBセグで作ってくれたら、即座にフォードフィエスタやプジョー208のようなラリー4クラスの車両に仕立てて、WRCに出たのに。
ちなみに実車のスーパーターボに乗ったことあるけれど、パワステないためメチャクチャハンドル回すのが重いほか、楽しい楽しいクルマだった。
特にアクセル踏むと間髪入れずスーパーチャージャー効いてトルク出る! とうてい1000ccと思えないほど、パワフルでしたね!
●国沢光宏はマーチスーパーターボ
■トヨタ KP61型スターレット…自らの原点と呼べるレース仕様に乗りたい
(TEXT/斎藤 聡)
ユニークさ、面白さという点ではシティターボIIは魅力的だと思う。個性的なデザイン、炸裂するパワー、クセのある操縦性。今乗っても楽しいと思える1台だ。
でもそれよりももう一度乗りたいのが、KP61型スターレット。
素のスターレットも魅力的だったが、ボクがもう一度乗りたいのはノーマル車ではなく、スターレットノーマルカップレースという当時行われていたナンバー付きのレース仕様車。
実はこの仕様のクルマを持っていたレースにも何度か出場したことがある。ボクの原点的なクルマの一台。
●斎藤聡はKP61型スターレット
■マツダ 3代目デミオ 前期型…デザインが最高だし操縦性も感動的だ!
(TEXT/清水草一)
グレードまでかなり限定で指名させていただきます。先代デミオ前期型の、1.3じゃなきゃダメ。1.5はバツ。フロントが軽くないとダメなの。それで5MT。
このクルマ、最初に乗った時はロータスエリーゼかと思ったくらい操縦性が感動的だった。アクセルオフだけで曲がれるんじゃないかってくらいスポーティだったんだよ!
デザインも最高だったし、本当にほれ込みました。といってもこのデミオは買ってないんで、今でも本気で乗りたいと思っている。
●清水草一は3代目デミオ前期型
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