いすゞとティアフォーがNVIDIAの先進プラットフォームとSoCを採用! 大型路線バスのレベル4自動運転に向けて3社の技術が融合する!

いすゞとティアフォーがNVIDIAの先進プラットフォームとSoCを採用! 大型路線バスのレベル4自動運転に向けて3社の技術が融合する!

 いすゞ自動車とティアフォーは、米国の半導体テック企業NVIDIA(エヌビディア)と共同で、大型路線バスのレベル4自動運転(特定条件下での完全自動運転)の実現に取り組むと発表した。高度なAIコンピューティングで強みをもつエヌビディアが供給する、最先端のリファレンスプラットフォームを用いて開発を進めるとともに、同社の車載用システムオンチップ(SoC)を自動運転バスに搭載する。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、ティアフォー、NVIDIA、いすゞ自動車

世界最先端の自動運転プラットフォーム

いすゞとティアフォーが開発中の「エルガEV自動運転バス」。写真は2025年10月~2026年1月にわたって平塚市で行なわれた実証運行(レベル2相当)の様子(写真:ティアフォー)
いすゞとティアフォーが開発中の「エルガEV自動運転バス」。写真は2025年10月~2026年1月にわたって平塚市で行なわれた実証運行(レベル2相当)の様子(写真:ティアフォー)

 いすゞとティアフォーは、2024年3月から大型路線バスのレベル4自動運転システムの開発で協業をスタートし、運転自動化レベル2による路線バス実証運行を24年12月(ディーゼルバス)と25年10月(バッテリーEVバス)で行なうなど、レベル4自動運転バス技術の確立と社会実装に向けた取り組みを進めている。

 このレベル4自動運転バスの実用化で、エヌビディアのリファレンスプラットフォーム「DRIVE Hyperion(ドライブハイペリオン)」と車載用SoC「DRIVE AGX Thor(ドライブAGXソア)」を導入する。いずれも自動運転技術の開発分野で世界最先端の製品だ。

 DRIVE Hyperionは開発用プラットフォームで、高度なAIコンピューティングとセンサースイート(カメラ、ミリ波レーダー、LiDAR、超音波センサー、車内センサーなど)を統合しており、さらにシステムを冗長化していることから、自動運転ソフトウェアの開発とその検証、そして実装を、高い安全性を備えた上で効率的に行なうことができる。

 DRIVE AGX Thorは、DRIVE Hyperionの一環となるシステムオンチップ(複数の機能を一つの半導体チップに集約してマルチドメインコンピューティングを可能としたもの)だ。これに自動運転ソフトウェアを実装して車両に搭載する。人工知能によるさまざまな予測から最適な制御を瞬時に導く、非常に高度なAIコンピューティングを可能とするため、最大2000テラフロップス(フロップス:コンピュータが1秒間に実行できる浮動小数点数演算の回数。2000テラ=2000兆回)という途方もない処理能力を備えている。

 レベル4自動運転ソフトウェアは、ティアフォーのオープンソース型ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」を基盤として、堅牢な路線バス用ソフトウェアスタックを開発中だ。このソフトスタックをエヌビディアの前述プラットフォームと組み合わせることで、安全性に優れた路線バス用自動運転システムの確立を目指す、というわけである。

 いすゞは、この自動運転システムを大型路線バス「エルガ」と、そのバッテリーEVモデルである「エルガEV」に展開する。なお、いすゞでは、トラックのレベル4自動運転の条件が路線バスと大きく異なるとして、トラック向けの開発プロジェクトを別に立ち上げており、共同開発パートナーも違う企業となっている。ただ、そのパートナーの一社である米国・ガティック社も、個別にエヌビディアと提携している。

エヌビディアの「DRIVE AGX Thor」。運転操作やシャシー制御、センシング、インフォテイメント等々これまでそれぞれのECUを使ってきたクルマのさまざまな制御を、半導体チップ1つに集約できるマルチドメインコンピューティングを実現する(写真:NVIDIA)
エヌビディアの「DRIVE AGX Thor」。運転操作やシャシー制御、センシング、インフォテイメント等々これまでそれぞれのECUを使ってきたクルマのさまざまな制御を、半導体チップ1つに集約できるマルチドメインコンピューティングを実現する(写真:NVIDIA)

各社の発表コメント】

■ティアフォー/加藤真平CEO:
 私たちの挑戦は、自動運転の未来を切り拓く重要な一歩です。いすゞの卓越したエンジニアリングとエヌビディアの最先端のAIコンピューティングを掛け合わせることで、「Autoware」を基盤とした自動運転レベル4による公共交通の実現を推進します。世界クラスのハードウェアとAutowareエコシステムの相乗効果により、安全で拡張性の高い自動運転による公共交通は、単なる目標ではなく、現実のものへと進化しています。

■いすゞ自動車/佐藤浩至常務(開発部門バイスプレジデント):
 いすゞ、ティアフォー、エヌビディアの協業は、次世代の商用車開発における重要なマイルストーンです。「エルガ」および「エルガEV」にレベル4の自動運転技術を搭載することで、あらゆるニーズに応える多用途かつ持続可能なソリューションの提供が可能になります。いすゞが世界で培ってきた信頼性を自動運転にも生かし、誰もが安心して利用できる高度な交通サービスを展開していきます。

■エヌビディア/リシ・ダル オートモーティブ担当バイスプレジデント:
 商用輸送の高度な自動化を実現するためには、堅牢なフェイルオペレーショナル機能と高性能なコンピューティングが不可欠です。ティアフォーといすゞは、いすゞの「エルガ」および「エルガEV」に「エヌビディアDRIVE Hyperion」のDRIVE AGX ThorのSoCを搭載し、「Autoware」を基盤とした高度なソフトウェアスタックを開発することで、公共交通の変革をリードしています。ティアフォーといすゞの拡張性に優れたソリューションは、公共交通サービスに求められる厳格な運用水準を満たしながら、日本の運転手不足という社会課題の解決に貢献しています。

こちらはディーゼル車ベースの「エルガ自動運転バス」。写真は2025年11月~2026年1月にわたり千歳市で行なわれた実証運行の様子(写真:フルロード編集部)
こちらはディーゼル車ベースの「エルガ自動運転バス」。写真は2025年11月~2026年1月にわたり千歳市で行なわれた実証運行の様子(写真:フルロード編集部)
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