以前から減少の一途を辿り、絶滅危惧種となっているMT車。すでに速さも燃費もAT車のほうが優れているというから仕方ないところだが、それでもオレたちはMTが好きだ! 操る楽しさを追い求める橋本洋平氏が普通のMT車をご紹介!!
※本稿は2026年2月のものです
文:橋本洋平/写真:マツダ、ホンダ、トヨタ、スズキ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年3月10日号
フツーなグレードのMT車にはパワーを使い切る楽しさがある!
速さ、効率、燃費、そしてイージードライブと、あらゆる面で優位性を持つ最近のAT。近年は新車販売のおよそ99%がATらしいが、それも当然の結果だろう。
すなわちMTはたったの1%ほどしか売れず、絶滅危惧種まっしぐら。だからってわけじゃないが、保護活動の一環として(?)もう一度MTを振り返ってみる。それもスポーツカーなどの特殊なモデルの話じゃなく、あくまでもフツーのモデルのMTに注目してみることにしよう。
そもそもMTはクラッチを踏めば駆動が途切れるわけだから、そこは速さ的にも効率的によろしくなく、燃費だって昔のようにいい数値を叩き出せるわけじゃない。
シフトノブとクラッチを常に操作し続ける必要があるのだから、イージードライブともいえない。クルマを移動手段としてしか考えない人にとっては「あんなのどこがいいの?」という流れになるのも頷ける。
でも、クルマ好き、そしてドライビング好きにとってMT好きは確実に存在する。クルマというメカを操る愉しみが凝縮されているからだろう。
僕もその虜となっているひとりであるからよくわかるが、クラッチを切り、シフト操作をして再びクラッチを繋ぐという動作は、確実にクルマと人間とが一体になれる時間だと感じる。平たく言ってしまえば、ガチャガチャと操作しているのが好きってことじゃないだろうか?
そう考えた時、これから挙げるフツーのクルマのMTモデルは、ガチャガチャやるには最高にマッチングがよい。
日本の交通事情を考えればハイパワーでトルクフルなエンジンでMTを楽しもうと思うとどうしても窮屈。使い切ろうと思ったらサーキットに行かなきゃ成立しないものが多い。
けれどもフツーのモデルのMTは、どちらかといえばアンダーパワーのエンジンとMTという組み合わせであるからして、結果的に各ギアでしっかりと加速しなきゃならない。
ガチガチのスポーツカーじゃなくても走りは楽しめる
この構図、シビックタイプRとシビックRSを比べると非常に理解しやすいと思うが、タイプRの本領発揮はやはりサーキット。RSはロードセーリングというだけあって、日常域でエンジンやMTを使い切っても大丈夫。アクセルの踏み込み量を比べれば圧倒的にRSのほうが上回るのは間違いない。
こうした使い切る感覚こそ、フツーのクルマのMTのたまらない気持ちよさだ。まるで騎手が馬に鞭を入れるかの如くギアやクラッチをリズムよく操作していく過程は、まさに人馬一体感といえるだろう。
また、減速後に鋭い加速を行おうとなれば、しっかりとギアをダウンして構える必要が出てくる。その際にはブリッピングやヒール&トゥをやらなければスムーズな動きにはならずギクシャク。足の操作に難しさがあるから、逆にちゃんとできた時に歓びに繋がる。
もうひとつ語っておくべきは軽さだ。ATに比べてシンプルな作りのMTは軽い。車種にもよるがミッションの違いで20~30kg差が出る。それがエンジンルームの先端あたりで違ってくるのだからかなりのもの。ノーズの入りは軽快になり、ワインディングなどにおける爽快なフィーリングに繋がってくる。
ちょっと面倒だけれどこれだけのメリットがあるMT。みなさんも、もう一度注目してみてはいかがでしょう?
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