普及が停滞し、「踊り場」とは言われつつも今後伸びていくことが予想されるEV。すると気が気でないのがガソリンスタンド業界だ。今後、ガソリンスタンドが生き残るためには何をするべきか。出光興産を例に国沢光宏氏が考察する。
※本稿は2026年2月のものです
文:国沢光宏/写真:出光興産株式会社(PR TIMES)、KGモーターズ、BYD、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年3月10日号
様変わりしていくガソリンスタンドのビジネス
日本のガソリンスタンド数は地下のタンクの改修義務化や自動車の燃費向上などを受け、ピークだった1994年の約6万軒から減少。直近だと3万軒を切り、2万5000軒に限りなく近づいてきた。
考えてみたらハイブリッド車に乗り換えるだけで燃料消費量は約半分。ガソリンが売れなくなっている。今後、電気自動車の増加で一段とスタンドの経営は厳しくなると思う。
急速充電器など設置して電気自動車向けのビジネスに変更しようとしたものの、ガソリンと違い時間効率が悪い。急速充電ですら30分も場所を占拠されてしまう。
一基の急速充電器だと効率よく運用したって1日あたり30台程度かと。1台あたり500円儲けたって1万5000円にしかならない。充電ビジネスだけじゃ成り立たないとわかる。かといってガソリン販売は先細っていく。
どんなビジネスなら可能か? 出光興産が考えたのは、電気自動車の取り扱いだ。
2026年4月から東京と広島県にあるガソリンスタンドの一部で、1人乗り電気自動車の製造を手がけるKGモーターズと提携したと発表。購入客に車両の引き渡しを行うという。
当然ながらクルマは売りっぱなしじゃない。定期点検やタイヤ、ブレーキのメンテナンスだって必要になってくる。
ガソリンスタンドなら基本的に整備ピットを持っているため、タイヤ交換などの簡易的な整備が可能だ。いや、ひとり乗り電気自動車に限らず、白いナンバーのメンテナンスだって充分できると思う。
となれば、ヒョンデのように店舗を持たない新興勢力や、ディーラーがあっても日本車のような整備ネットワークのないBYDなどにとって、ガソリンスタンドは超魅力的かもしれない。
具体的には、BYDの軽電気自動車『ラッコ』のニーズは人口密度が少ない地域になる。ディーラーだけでなく、いわゆる「モータース」(専門用語だと専業店)と呼ばれる提携民間整備工場もない。
ガソリンスタンドで引き渡しや整備など行ってくれればアフターサービスの投資額を大幅に削減できる。日本市場に参入する新興勢力にとってもガソリンスタンドにとっても有難いこと。
おそらく近い将来、ガソリンスタンドはさまざまなモビリティの日常的なメンテナンスを行う重要な拠点になっていくと思う。
ブレーキやタイヤのチェックはもちろん、シロウトだと悩む本格的な整備が必要かどうかの判断だって可能。店構えを含めディーラーやモータースより気軽に立ち寄れる。カフェやコンビニなど併設していれば一段と使い勝手よくなります。
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