自動車界を騒がせたホンダと日産の経営統合と白紙撤回。その後は部門ごとでの協業を図る両社だが、ホンダにあって日産にないもの、また日産にあってホンダにないものはなんだろうか? 互いの足りないパズルのピースを補い合えるのか?
※本稿は2026年3月のものです
文:桃田健史/写真:ホンダ、日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年4月10日号
互いの強みで互いの弱点を補う
ホンダと日産は経営統合が御破算になった後も、両社の部門単位で電動化と知能化での協業を探ってきたが、ここへきて北米市場でホンダのハイブリッド用エンジンを日産に供給する可能性が出てきた。
背景にあるのは保護主義が色濃いトランプ政権による関税と環境の政策だ。
ホンダと日産の両社は、世界最大の中国市場での中国地場メーカーの台頭による急激なシェア減少により、北米市場の重要性が一気に増している。
そこで、まずは北米市場でホンダと日産が相互補完しうる対策を講じようとしている段階だ。見方を変えると、両社の強みと弱みが浮き彫りになったといえる。
具体的には、ホンダの強みは、北米市場で伝統的なボリュームゾーンであるC/Dセグメントで「シビック」「アコード」「CR-V」が安定的な収益を確保し続けている点だ。
一方ホンダの弱みは、米GMとの各種連携の失敗だ。EV戦略ではGM「アルティウム」を活用する中大型EV導入を撤回。また、自動運転を活用するタクシー「クルーズ」についても話は空中分解した。
こうしたホンダにないもの(失ったもの)に対して、日産が得意とするものが上手くハマりそうだ。
EVでは第3世代「リーフ」や「アリア」だ。三菱自動車も日産から「リーフ」のOEM供給を受けるが、そこにホンダがどう絡むのかが注目だ。
ホンダは中国での独自EV戦略を「白紙に戻す」(当期第3四半期決算発表:貝原副社長)としており、併せて北米EV戦略も見直す。
危機感を共有し互いの強みを活かす
自動運転技術については、ホンダ独自の「CI(コーポレーティブ・インテリジェンス)」を活用した自動運転レベル4で2027年からの社会実装を目指し、栃木、茨城、神奈川、埼玉で実証実験を進めている。
日産も横浜市内で自動運転レベル4実証実験を展開しているが、ホンダと日産が自動運転戦略で連携することのメリットは大きそうだ。
一方、日産にとって最も足らないものは北米市場でのハイブリッド車だ。これは明らかに日産の事業戦略の失敗で、日産側にもその自覚がある。
ここにハマるのは、ホンダが開発中の次世代e:HEVだ。Bセグメント(日本のコンパクト)のほかに北米C/Dセグメント向けのパワートレーンと車体開発を進めており、ホンダとしても日産バージョンの追加で量産効果を得たいはずだ。
また、北米を主体にグローバルでホンダと日産が工場の稼働率を上げるため、商品の相互補完を加速する可能性も考えられる。ホンダと日産が互いの危機感を共有することで、互いの強みを活かす体制作りの早期構築が望まれる。
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