今や新車販売の上位を独占するSUV。人気のど真ん中だけに、各メーカーから魅力的なクルマがラインナップされている。2025年12月に登場した新型トヨタ RAV4をはじめとした各社の最新ミッドサイズSUVを徹底的に乗り比べてみた!!
※本稿は2026年3月のものです
文:渡辺敏史/写真:奥隅圭之
初出:『ベストカー』2026年4月26日号
新型RAV4の登場でさらに混戦のミッドサイズSUV
180以上の国を通して年間100万台余を販売する……といえば、トヨタ単体の年間販売台数の8〜9台に1台がこのクルマ、RAV4となる。トヨタの乗用車のトップセラーということは、すなわち世界の乗用車のトップセラーと言い換えることもできるわけだ。
そんなクルマのフルモデルチェンジゆえ、注目度は非常に高い。それを迎え撃つように、直近ではエクストレイルのマイナーチェンジや、CR-VのHEVモデル再投入といったニュースがある。
さらにフォレスターは2025年にフルモデルチェンジ、CX-60も年次改良……と、世界で一番売れているカテゴリーということもあって界隈の動きは活発だ。
乗用車系のモノコック車台をベースとする今日的SUVの開拓者ともいえるだろう、そんなRAV4はこの新型が6代目となる。
先代は角張ったデザインをまといラギッド感を全面に押し出すことで過去最高の人気を博した。新型はそのシルエットを受け継ぎつつも、顔立ちやテール回りなどのグラフィックはシンプル&モダンに纏められている。
一方でバリエーションについては、前型と同様の標準系とアドベンチャーに加えて、新型では新たにGR SPORTが加えられた。
これはトヨタ曰くの『第6世代』という最新のHEVシステムをベースに構成されたPHEVの、強化された動力性能や重心高の低さを活かすオンロードスポーツ側に振り込んだ成り立ちで、開発陣はそのパフォーマンスに相当な自信を抱いている。
ちなみにほかのパワートレーンは、『第5世代』を改良したHEVが用意される。つまり新しいRAV4は全グレードが電動化、かつ後軸にモーターを配する電動四駆化されているわけだ。
これは日本仕様だけでなく、ほとんどの仕向地も同様とのこと。世界一売れているだろうクルマの大半をハイブリッドにシフトしたということが、社会的にも大きな意味を示すことになるだろう。
敢えて踏襲した車体サイズ
ディメンション関係はタイヤ幅の関係でアドベンチャーのトレッド&全幅が若干異なるものの、基本的には前型とまったく同じ。が、荷室容量や居住性はしっかり改良が加えられている。
荷室床面はわずかに斜度がついているが、これは後席可倒時に荷室が段差なくツライチにできることを重視したあえての設定だという。
主要市場となる北米では、スーパーの買い物の際に大荷物をカートからバンバン押し込むような使い方をする、その際に段差が嫌われるという理由からの仕立てだそうだが、日本的には車中泊などの用途で喜ばれそうだ。
今回の試乗では、標準HEV系の「Z」と「アドベンチャー」の2モデルに乗ることができた。ともにHEVということで足周りの仕様差はない。
ただしZはオプションの20インチタイヤ&ホイールを装着していて、ケース剛性やエアボリュームによる縦バネの差はある。
双方に共通する新型RAV4の進化点は、快適性の大きな向上だ。カヤバのプロスムースダンパーを採用したというアナウンスのとおり、微入力域からしっかり減衰力が立ち上がり路面からの些細な凹凸やザラつきも上手に吸収していることが伝わってくる。
新たにバイポーラ型ニッケル水素電池を用いたHEVパワートレーンは、発進から高速巡航に至るまでモーターリッチな走行感を味わわせてくれる。
音消しには相当気を使ったようで、常識的な加速ではエンジンの稼働も控えめに「ぐいっ」と力強いトルクによる押し出しを感じさせてくれるが、そういう域での音量が抑えられたぶん、アクセルを深踏みするような加速では高速燃焼ユニットのガリガリした唸りがどうしても耳についてしまうのは致し方ない。
HEVのドライブトレーンもバイポーラ電池の採用に加えてモーターの連続負荷に対する知見が溜まったこともあって、制御の基本的な考え方が変わっている。
具体的には、後軸モーターをより活発に用いる方向でチューニングされていて、それはオンロードの発進〜低速域の旋回といった日常的な場面でもリニアリティに加担している印象だ。
加えて微小な回生減速を用いた荷重移動による乗り心地の改善や旋回しやすさといった場面でもHEVのモーターを積極的に活用している。
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