ランクルファミリーの末弟、トヨタ ランドクルーザーFJの登場が2026年5月14日に決定した。ランクル最小ボディでありながらラダーフレームを採用する頼れるクロカンだ。登場前に現在の「ラダーフレーム」についておさらいしておこう。
※本稿は2026年3月のものです
文:片岡英明/写真:トヨタ、スズキ、三菱、日産、ベストカー編集部/予想CG:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年4月26日号
改めておさらい!「モノコックとフレーム」
現代のクルマのほとんどは、モノコックと呼ばれる骨格構成を採用する。これは車台とボディ、そしてキャビンが一体化された殻構造のことである。
強度を持った骨格となる独立したフレームを持たず、外殻が応力を受け止め、ボディ全体で強度を保つ仕組みとなっているのだ。サブフレームを補強するなど、充分な剛性を確保しながら軽量化しやすいのが特徴である。
薄い鋼板をプレス成形し、ぶつかった時のボディの衝撃はクルマ全体で受け止める構造としているから安全性も高い。乗用車だけでなく、これをベースにしたクロスオーバーSUVも、外部からの力に対して強いモノコック構造を採用する。
もともとは軽量化と高い強度の両立が求められる飛行機の胴体のために開発されたのがモノコック構造だ。
文字通り「ハシゴ」になっているからラダーフレーム
これに対し、本格派のSUVやピックアップトラックなどが採用している車体構造は、モノコック方式が登場する以前に主流だったフレーム方式だ。その多くは堅牢なハシゴ形のラダーフレームを採用している。
クルマの四隅を大型断面の鋼材フレームで囲み、横方向にクロスメンバーなどの補強鋼材を渡してフロアまわりを補強するのがラダーフレームだ。
上から見ると、フレームがハシゴ状になっているからハシゴ形フレームと呼ぶ人も多かった。エンジンやサスペンションなどはこのフレームに装着される。極端な話、ボディ上屋がなくとも走ることができるのがフレーム車だ。
モノコック骨格構造のいい点は、前に述べたように車体剛性や強度を保ちながら車両重量を抑えられることである。だが、モノコックボディの長所を活かせる路面状況は、比較的良好な路面に限られる。舗装路では鬼に金棒だし、クロスオーバーSUVなどは、凸凹の少ないフラットダートや雪道などの走りも無難にこなす。
走行性能に優れ快適なモノコック車だが、大きなわだちが連続するモーグルコースや大きな岩を乗り越えるロックステージなど、オフロードと呼ばれる過酷なステージでは精彩を欠く。
瞬間的にサスペンションが大きくストロークし、車体側に連続して大きな入力が加わるオフロードでは、モノコック構造の限界が見えてしまうのである。
【画像ギャラリー】「フレーム構造」がもたらす無骨な佇まい!! ランクル250からジムニー、トライトンまでクロカンとピックアップの真髄を写真で凝縮!!(22枚)画像ギャラリー衝撃を吸収して走破性を高め、ダメージも減らす
こういったステージでイキイキとした走りを見せるのは専用フレームを持つSUVだ。オフロードの走破性能は非凡で、道なき道も走破できる高い潜在能力を秘めている。だからクロスカントリーSUVやヘビーデューティ4WDと呼ばれ、愛する人が多いのだ。
ランドクルーザーは広告で「どこへでも行き、生きて帰れるクルマ」のキャッチコピーを使っているが、これは誇張ではない。フレーム車は、どんな過酷なステージでも走り切れる高い潜在能力を秘めている。
堅牢なラダーフレームにこだわっているのは、ランクルを筆頭に、ジムニー、トライトン、輸入車ではジープ・ラングラーやベンツのGクラスなどだ。2026年5月には、IMVシリーズのラダーフレームを用いたランクルの末っ子、「FJ」も正式デビューを果たす。
ハシゴ状の土台の上にボディを被せているフレーム車は、大きな入力があっても下のフレームを設計どおりに捻じらせて揺れを吸収し、上のボディが揺れるのを上手に抑える。高層ビルの免震ゴムのようなものがラダーフレームだ。だからサスペンションなどをうまくセットすれば驚異的な走破(踏破)能力を発揮する。
最近のフレーム付きSUVは電子制御デバイスを積極的に導入し、持てるポテンシャルを引き出しやすい。ビギナーでも気負わずに安全で楽しい走りを楽しめる。
頑強なフレーム構造だから、岩場などで下まわりをガンガン打ちつけてもタフだ。これがモノコック構造と大きく違うところで、驚くほど丈夫なのである。しかも土台が壊れてしまっても、部分的な補修や修理をしやすい。これもフレームの魅力のひとつだ。


























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