クルマを運転する際、安全や燃費、愛車の保護のため良かれと思って行っている習慣が、実は周囲の交通を乱したり、クルマの寿命を縮めることも。無自覚な悪癖は大きなトラブルになる前にやめるのが吉……!?
文:井澤利昭/写真:写真AC
【画像ギャラリー】カーライフには勘違いしがちなことがいっぱい(6枚)画像ギャラリー過度な譲り合いが招く「サンキュー事故」の恐怖
道端の店舗から本線へ合流しようとするクルマや、右折待ちをしている対向車に対してブレーキをかけて道を譲る行為は、一見すると美しい交通マナーのように思える。しかし、見方を変えれば、これはけっこう危険な「優先権の放棄」にもなり得る。
本来、50km/hや60km/hで流れている幹線道路において、優先権を持つクルマが突如として減速または停止することは、後続車にとって予期せぬ障害物が現れたのと同じだ。突然のことに後続車のブレーキが間に合わず、衝突事故を起こす原因にもなりかねない。
さらに、この「良かれと思って」譲ったことが、後続車による追突事故や渋滞を引き起こすだけでなく、譲られた側のクルマを危険にさらすことも。
例えば右折しようとしているクルマに道を譲った場合、自分の後方からすり抜けで直進してくるバイクや左側の歩道を走る自転車と右折車が衝突事故を引き起こす可能性がある。
これは、譲られた右折側のドライバーが「早く行かないと!」と焦るあまり十分な安全確認を怠るのに加え、譲った側のクルマが壁となり、死角から突然バイクや自転車が飛び出してくることになるためだ。
ちなみに、ITARDA(公益財団法人交通事故総合分析センター)などが公表している交通事故に関する調査データでも、交差点付近での譲り合いは、譲られた側のドライバーに焦りや油断を生じさせ、死角への安全確認を省略させてしまう心理的要因になることが指摘されている。
また、優先権を持つクルマの予期せぬ減速は、後続車に不要なブレーキを踏ませて渋滞の波を作り出し、周囲のドライバーにストレスを与え、さらなる不注意を誘発する要因にもなる。
スムーズな交通を実現するために基本はやはり、個人の親切心ではなく、道路交通法が定める優先順位を忠実に守ること。
道を譲る場合は周囲のクルマの流れや状況を十分に確認し、自分はもちろん、後続車や先に行かせるクルマの動きまで見越して判断することが、事故のリスクを低減させ、円滑なクルマの流れを実現することになるはずだ。
赤信号での停止時に車間距離を空けすぎる弊害
信号待ちなどでの停車時に、前のクルマとの間に必要以上に長い車間距離を確保するドライバーを見かけることがある。
追突された際の玉突き事故を防止するためなのか、あるいは万が一、前のクルマがトラブルで止まってしまった際の回避スペースを確保するためなのか……、その考えはさまざまだろうが、ある意味安全意識の表れであることは間違いないだろう。
しかし、都市部などの交通量が多い道路において、この過剰に空いた車間距離は、限られた道路上のスペースを無駄にする要因となる。
具体的には、1台のクルマが本来よりも3m多く車間を空けたと仮定すると、それが10台重なれば30mもの無駄なスペースが発生してしまう。この30mという距離は、右左折専用レーンへの進入を妨げるには十分すぎる長さで、本来なら青信号で通過できたはずのクルマが、その「広すぎる車間」のために長時間の信号待ちを強いられることに。
また、感応式の信号機が設置されている場所では、検知センサーの範囲外にクルマが停止してしまうことで、いつまでも信号が変わらないというトラブルも発生し得る。
さらに、空けすぎたスペースに無理やり割り込もうとするクルマや、脇道から進入を試みるクルマが現れることで渋滞がさらに延びる可能性や、無理な割り込みによる接触事故のリスクを高めることにもなりかねない。
適切な車間距離の目安は、一般的に前のクルマの後輪が完全に見える程度、距離にして1.5mから2mほどが適当とされている。
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この距離であれば、万一前走車がトラブルで動けなくなった場合でも、回り込める余地を確保でき道路上の空きスペースも最小限に抑えることができる。
普段クルマに乗り慣れていないドライバーは不安からついつい車間距離を空けて止まってしまいがちだが、渋滞緩和のためには適切な車間距離を身につけるようにしておきたい。
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