良かれと思ってやってない? 実は逆効果な4つの運転法

平坦路でのエンジンブレーキ多用による弊害

良かれと思ってやってない? 実は逆効果な4つの運転法
ブレーキランプは、エンジンブレーキの場合は点灯しないため、減速していることに後続車が気づきにくく、危険なことも

 長い下り坂でのフェード現象を防ぐためにエンジンブレーキを活用する運転は、安全で実に理にかなったものだが、平坦路での通常の減速時に、過度にシフトダウンを繰り返してエンジンブレーキを多用する運転は、正直あまり褒められたものではない。

 なかには「ブレーキパッドを節約したい」という心理から、フットブレーキをなるべく使わずに減速しようとするドライバーがいるかもしれないが、AT車が9割以上を占める現代の交通事情を考えると、こうした運転は後続を走るクルマとの追突事故の要因となりかねない。

 ここでの最大の問題は、エンジンブレーキによる減速ではブレーキランプが点灯しない点だ。後続車のドライバーは、前を走るクルマのブレーキランプの点灯を見て減速の準備を始めるため、ランプが点かないままスピードが落ちる状況は、車間距離の判断を誤らせ、追突のリスクを増大させることになる。

 特にマニュアル車でのシフトダウンによるエンジンブレーキは、アクセルオフによるエンジンブレーキよりもより強力に減速するため、後続車にとっては急な接近として感じられる。

 一見平坦に見えてわずかに傾斜している下り坂や、雨などで路面が濡れている場合は、後続車の制動距離が延びるため、さらに危険だ。

 また、頻繁なシフトダウンはエンジンやトランスミッション、クラッチといったクルマの駆動系に負荷をかけることにも。

 比較的安価なブレーキパッドの消耗を防ぐため、修理や交換費用が高額になるこうした部分に負荷をかけるのは本末転倒だろう。

 さらに、「フューエルカット(燃料供給停止)を積極的に利かせて燃費を稼ぎたい」という心理から、フットブレーキを極力使わずにシフトダウンで減速しようとする人がいるが、こうした目論見は逆効果になるケースが多い。

 現代の電子制御されたエンジンは、アクセルペダルを完全に離した状態であれば、タイヤの転がる力でエンジンが一定の回転数(およそ1500rpm以上など)を保っている間は、自動的に燃料噴射をストップする仕組みになっている。

 シフトダウンをして人為的に回転数を高く保とうとすれば、確かに燃料カットの作動時間はわずかながら延びるかもしれないが、同時に低いギアによる強力なエンジンブレーキでの抵抗が発生し、クルマは急激に失速することにも。

 高いギアのまま惰性で進んでいれば停止線まで届いたはずが思った以上にスピードが落ちてしまい、再びアクセルを踏んで無駄な燃料を消費する……。それでは本末転倒だ。

 現代のクルマにおいては、平坦路での過度なシフトダウンはあまり意味がなく、フットブレーキを適切に使うことが、安全かつエコな運転と言えるだろう。

EVやPHEVのバッテリー寿命を縮める日常的な満充電

良かれと思ってやってない? 実は逆効果な4つの運転法
長距離ドライブの直前などを除き、EVのバッテリーは満充電にせず80%程度に抑えるのが長持ちさせる秘訣。数年後のコンディションが大きく変わってくる

 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を所有するユーザーにとって、スマートフォンのように毎日「100 %まで満充電」にしておくことは、航続距離への不安を解消するための安心材料かもしれない。

 しかし、EVの駆動用として採用されるリチウムイオンバッテリーの特性を考えると、良かれと思って行っている日常的なフル充電が、数年後の大幅な航続距離低下を招くかもしれないのだ。

 リチウムイオンバッテリーは、満充電の状態または空に近いほど化学的なストレスを受けやすい性質を持っている。

 特に「100 %」の状態を維持して長時間放置することは、電極の劣化や電解液の変質を促進し、バッテリーの容量低下を加速させることになる。

 多くのメーカーが推奨しているのは、日常的な走行であれば充電量を80 %程度に抑えること。この「80 %運用」を心がけるだけで、数年後のバッテリー性能に明らかな違いが出てくる。

 また、満充電の状態では「回生ブレーキ」が十分に作動しないというデメリットも。

 バッテリーが一杯の状態では、減速時のエネルギーを電力として蓄える余裕がないため、クルマは回生ブレーキを制限し、通常のブレーキのみで減速しようとする。

 これにより、本来得られるはずの燃費(電費)向上の機会を損なうだけでなく、ブレーキの操作感が普段と異なり、ドライバーが違和感を覚える場合もある。

 長距離ドライブに出掛ける直前であればバッテリーを100%に充電しておくメリットはあるが、自宅近くのスーパーへの毎日の買い物や通勤が主な目的であれば、適度な余裕を持たせた充電管理こそが、愛車のバッテリーを長持ちさせることになる。

 これまで良かれと思ってやってきたことが、技術の進歩や環境の変化で変わることは、どの世界にも十分にありうること。クルマの運転も昔からの習慣にとらわれることなく、常に最新のものにアップデートしていくのが、優良ドライバーへの近道であり、愛車のコンディションを長く保つことにつながると言えるだろう。

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