以前に名古屋を走る交通機関としてSRTやゆとりーとラインを紹介した。どちらも他ないこ名古屋唯一のシステムとして特長的であったが、名古屋には他にも面白い「基幹バス」というのがあるので乗ってみた。まるで路面電車のような走行方法で定時性を確保した名古屋独自のシステムだ。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■市バスターミナル
着いたのは名古屋駅である。その名の通り東海地方を代表する一大ターミナルであり、東海道新幹線をはじめJR在来線、名古屋市営地下鉄、名鉄、近鉄、あおなみ線が乗り入れるほか、駅の東側や西側にはバスターミナルがあり多くの路線バスや高速バスが行き来している。
そして筆者は駅の北東部に位置する市バスターミナルにやってきた。ここは名古屋市営バスのターミナルで市内各方面や市内を巡る観光ルートバス「メーグル」、市内中心部を巡回する「C-758」系統など平面の階層に12のホームが設置され、毎日目まぐるしく発着している。
広い空間であるが歩道と車道がガラスで仕切られているのであまり大きさは感じない。歩いて10番ホームでしばらく待っているとバスが到着した。今回乗車する「基幹バス」である。
■基幹バスとは?
まず「基幹バス」について紹介しよう。意味としては鉄道と比較しても変わりないほどの輸送力や利便性を兼ね備え、都市部の基幹的な交通を担う目的で設置されたバス路線をいう。近年のケースでは連節バスや快速・急行という形で多くの乗客を輸送、そして高頻度な運行本数や定時性の確保などの利便性を有し「BRT」(バス・ラピッド・トランジット)と呼ばれる場合もある。
連節バスによる運行は全国各地で行われており、今ではそれほど珍しいものではなくなったが、名古屋における基幹バスはそれらとも少し違うものである。発車時刻になり、バスは出発した。名古屋駅の大きなツインタワーを右手に見て、ここからは東へ向きを変え桜通を走行する。
ここは片側3車線、そしてその先は側道がありバスは側道を走行する。道路の広さは車社会の名古屋ならではという印象を受ける。10分ほど乗車していると栄の手前で左折し、大津通へとバスは入っていく。
バスはバス停に停車しなくてはいけないため道路の左側、歩道寄りの車線を走行するが、このバスは一番右側の車線へと入っていく。少し走ると次のバス停が見えてきたので下車することとした。
■中央寄りの車線を走る路線バス
下車したのは「大津通」というバス停だ。栄エリアの北にあたり、久屋大通のそばになる場所だ。そして降りた場所は歩道ではなく道路の真ん中である。これが名古屋の基幹バスの特徴で、複数車線を有する道路の中央にバス専用レーンと島式バス停が上下線2本設置されている。
バスレーンを走ることで歩道沿いの駐停車車両を気にする必要がなく、走行速度が速いうえに定時性も確保することができるという利点をもつ。本数も多く設定されており、基幹2号系統は名古屋市営バスの車両だけでも50台が平日で410本設定されており、朝夕のラッシュ時には何台もの基幹バスが連なって走る姿を見ることもできる。
「基幹バス」の歴史は古く、今回乗車している基幹2号系統は昭和60年4月30日から、もう1つの路線である基幹1号系統は昭和57年3月28日からで40年を超える。昭和55年に設置された「名古屋市基幹バス調査委員会」により検討が行われ、当初は地下鉄の代替が早急に必要と考えられる地区、基幹的交通機関の不足している地区の8路線で基幹バスを導入する予定であった。
そこから実際には栄から星崎・鳴尾車庫・笠寺駅の区間を結ぶ東郊線と栄から引山・四軒家、名古屋駅から猪高車庫を結ぶ新出来町線の2路線が導入され現在に至っている。
車体も名古屋市営バスのカラーリングとは異なり、アイボリー地にマルーンラインのデザインで基幹バスと見分けができるようになっている。また以前は「基幹バス」=幹ということで「ミッキー」という愛称表示も前面に取り付けられていたが、現在はなくなっている。











