家族4人でSUVを選ぶとき、カタログを開いて最初に確認すべきは全長でも荷室でもないだろう。大切なのは後席の広さだ。ドライバーは運転を楽しめるが後席に乗る家族は、ただそこに座るしかない。後席空間の質そのものが、長距離ドライブの満足度を左右するのだ。そこで今話題のミドルサイズSUV4車種(トヨタ RAV4、スバル フォレスター、ホンダ CR-V、マツダ CX-5)の後席環境を比較してみた。それぞれの後席を、寸法・機構・体感の3軸で解説していく。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部ほか
【画像ギャラリー】人気のRAV4、新型のCX-5、大きさのフォレスター、意外な実用性のCR-V……注目SUVの後席をイッキ見!(16枚)画像ギャラリー数字で見る後席空間
まず、室内寸法を並べると、各車の個性が浮かび上がる。
RAV4の室内は長さ1880mm×幅1525mm×高さ1220mm。ホイールベース2690mmという足回りに対して、荷室との空間バランスを重視した設計だ。膝前スペースはこぶし約2.5個分が確保されており、不満が出る水準ではないが、4台の中では横幅が最も狭い。
フォレスターは室内長1950mm×幅1540mm×高さ1270mmで、縦(長さ)と頭上(高さ)の2軸でRAV4を上回る。ホイールベースはRAV4より20mm短い2670mmながら室内長が70mmも長いのは、着座位置と荷室の配分を後席寄りに振った設計によるものだ。また、室内高がRAV4よりも50mm高いのも、後席空間の質の高さとして見逃せないポイントである。
CR-Vは室内長1935mm×幅1565mm×高さ1220mmで、横方向の余裕が4台中最大だ。3人横並びで座る場面での肩の開放感は、この40mmの差として実感に出てくる。加えて、膝前スペースはこぶし3個分と4台の中で最も広く、大柄な体格の同乗者でも前席に膝が当たる心配がない。
CX-5はホイールベースを先代比で約115mm延長し2815mmとした。それに伴い、室内高は1299mmに達する(サンルーフ装着車は1267mm)。これは4台の中で際立って高い数値で、大柄な男性が乗り込んでも余裕のあるスペースが生まれる。後席膝前スペースも先代の「こぶし2個」から大幅改善されている。
リクライニングとスライド、機構の差が決定的に出る
寸法だけでは語れないのが、後席の「動かせる自由度」だ。
RAV4とフォレスターは、どちらも後席リクライニング機構を持つ。ただし、シートを前後にスライドさせる機構は持たない。後席空間の大きさは固定されており、荷室と後席のトレードオフを乗員が都度調整することはできないのだ。
CX-5も後席リクライニングを備える。そして先述のとおり室内高が最大クラスであり、乗り降りのしやすさという点では優れた設計だ。足元空間も、機内持ち込みできるキャリーケースをそのまま縦置きできるほどに広い。
対してCR-Vは、この4台の中で唯一、後席スライド機構を装備する。リクライニングも8段階と細かく調整でき、前後スライド可能なリアシートは足元スペースを広げることも、荷室容量を増やすこともできるのだ。後席の「座る人の自由度」という観点では、CR-Vが4台の中で明確に一歩先を行く。



















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