一体なにが起きた!? 波乱の最終日……新井大輝選手が「ラリー人生最悪」と語るローマラウンドを振り返る

一体なにが起きた!? 波乱の最終日……新井大輝選手が「ラリー人生最悪」と語るローマラウンドを振り返る

 灼熱のローマで迎えたヨーロッパラリー選手権(以下。ERC)のラリー最終日は、体力も集中力も削られる過酷な1日となった。後方スタートによる渋滞、60℃近い車内、そしてステージ上で待ち受けていた想定外の事態……プライベーターとして海外ラリーに挑む難しさとそれでも前へ進もうとする思いを綴る。

文/写真:新井大輝

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何かしらの序章か? ペナルティによる「後続スタート」の不運

毎度のことながらハードのスケジュールをこなし、最終日に挑む新井大輝選手
毎度のことながらハードのスケジュールをこなし、最終日に挑む新井大輝選手

 人生最悪のラリーローマの最終日(Xデー)がいよいよ始まります。

 土曜日は金曜日より早く終えることができ、宿に24時に帰ってくることができました。

 何と土曜日の夜は謎に超キツいタイムスケジュールよりも1時間も早く宿に着くことができたのでテンションが高く(疲れてすぎて)、宿に着いてからシャワーを浴びて寝る支度をして眠るまで何と10分という最高新記録を叩き出しました。

 もはや眠るというより、気絶に近い感覚でした。布団に入って「ヨシ!眠ろう!」と思って次に目が覚めたときは朝の6時で体内時計の感覚的には5分にも満たないような時間感覚だったのでそれほど疲れていたということでしょうか。

 そしてなんと日曜日のスターティングリストには今度はFIAプライオリティが全く加味されない後続スタートとなりました。例の主催者側起因のペナルティの影響もあり後続の二輪駆動車やERC参戦ではないノンプライオリティクラスに入れられてしまったので、スタート時刻が1時間遅くなりました。このあと起こる悲惨な出来事の序章に過ぎないということはこの時は思いもしませんでした。

車内は “整う”ことのない無限サウナ状態!?

不運もあり後方スタートとなってしまうものの、酷暑のなか脅威の追い上げを目指す
不運もあり後方スタートとなってしまうものの、酷暑のなか脅威の追い上げを目指す

 朝1本目のSSはサービス会場から80km以上離れた標高1200メートル以上の山の中、ローマ市街では朝の段階で35℃近くあり、ラリー車内の温度はおよそ60℃。外気温が30℃ぐらいまでなら窓やベンチレーションから走行で入ってくる風で何とか涼しくなるのですが、34℃を超えたあたりから入ってくる風も温かく感じます。風が無いよりマシだけど全然涼しくないです。

 それを80kmの道中ずっと風がずっと当たっていれば良いですが、日曜日はスタートリストが後ろになったせいで渋滞に引っかかりその風すらも当たらないサウナ状態です。

 ドライバーもコドライバーも汗をかくので車内の湿度は必然と上がっていき、“整う”ことのない無限ロウリュウ(あの湿度が高いやつ)サウナがスタートしました。

 「やばいな、時間に間に合わなかったらどうしよう」と不安になりながら走行していると、3車線高速道路のさらに向こうの路側帯、いわゆる「ならず者レーン」と私が呼んでいる箇所を爆走していく後続スタートの車両ども。何ともイタリアらしい適当な感じがして良かったです。

 でもERC勢はそういうならず者走行をしていなかったので、選手権外のノンプライオリティクラスになるとモラルも比例して下がってしまうのでしょうか、謎です。

順調に滑り出したSS8だが……

新井大輝選手は危なげなくSS8もフィニッシュ、決して油断のない安全な走りをしていた
新井大輝選手は危なげなくSS8もフィニッシュ、決して油断のない安全な走りをしていた

 さていよいよ朝一本目のSS8に到着しました。

 このステージだけは毎年使っているステージのようで、毎年出ているメンバーは速かったです。やはり差はありますが、こちらもタイヤテストとして出ているのでタイヤの性能以上の運転はせずに同じような安全なペースを常に維持していました。

 無事にフィニッシュし、次の悪夢のSS9へ向かいます。

 SS9の特徴はそれほど難しくもないステージで、中間に少し狭いテクニカルなセクションがある意外はいたって普通のステージです。強いて言えばペースノートがちゃんとしていればクラッシュすることも無いです。それはどんなステージでもペースノートの重要性は同じです。

 さていよいよラリー人生最悪SS9が始まろうとしています。

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次ページは : そしてSS9で「悪夢」は起きた

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