貪欲に燃費を追求した初代ホンダ インサイトから、その名は「ホンダハイブリッドの代名詞」として君臨した。そして3代目が姿を消した2022年から4年。4代目インサイトはBEVとして突如復活。今度はホンダBEVの代名詞となるのか!?
※本稿は2026年6月のものです
文:梅木智晴(本誌)/写真:奥隅圭之、ホンダ
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
BEVとして復活の4代目
●新型ホンダ インサイトのポイント
・最低地上高140mmのクロスオーバー5ドアハッチバック
・バッテリー容量68.8kWhで航続距離535kmとしたBEV
・アロマカートリッジにより6種類の香りを室内で楽しめる
さ〜て、4代目インサイトをどう評価するか? これ、なかなか難しいテーマだと思うのですよ。
まず、クルマのハードとしてみた場合、よくできたクロスオーバー電気自動車で、パッケージングやパワートレーン、操安性などになんの不満もない。
……いやいや、ほどよく最低地上高を高めて(140mm)ヒップポイントを高くしつつルーフも高くしている(全高1570mm)ため、乗り降りもしやすく、前席のヘッドクリアランスも充分ある。
後席はラウンドしたルーフのため、ややヘッドクリアランスが狭いが、それでも縦にしたコブシひとつ分のスペースはあるため、窮屈ということはない。
そんなわけで新型インサイト、不満がない、などという消極的表現ではなく、積極的に「いいクルマ」。現在のホンダ国内ラインナップにちょうど欲しかったクロスオーバーだ。
インサイトは中国専売のe:NS 2がベースなので、中国市場でのプレゼンスを重視した豪華な作りだから、内外装に不満を感じることはないってワケです。
モーターはホンダ電動車の標準仕様とも言える204ps、31.6kgm。アクセル操作に対するトルクの出し方が内燃機関に慣れたドライバーにも違和感を感じさせない。このあたり、クルマ作りの歴史の長いメーカーならではのチューニング。スーッと滑らかながら力強く、息の長い加速感が気持ちいい。
乗ってビックリ!! 仕上がりの高さはさすがBEV!
シャシーだってしっかりと仕上がっている。重たいバッテリーを前後アクスル間の低い位置に積んでいるからドッシリ低重心。
路面の段差でちょっと「ダダン」という突き上げを感じるけれど、基本的にはしっとり滑らかな乗り心地が心地よい。バッテリーケースがフロア剛性を高めているからだろう、共振を吸収してロードノイズは小さい。
操安性だってしっかりしている。最低地上高や全高はやや高めながら低重心なのでふらつくような動きはない。
ただ、せっかくのBEVなんだけど、ベースはヴェゼルのプラットフォームということもあり、FF的な前後重量配分。1770kgの車重に対し前軸重が1010kg、後軸重760kgなので57対43。もうちょいリア寄りの重量配分にすると、軽やかなフットワークになるだろう。
そんな話を開発リーダーの小池久仁博LPLにしたら、「本当はリアモーター駆動のAWDを作りたかったんですよ」とのことでした。
とまあ、触れて座って走らせると、新型インサイトは実にいいクルマ。
それだけに3000台限定という販売体制や、550万円という価格設定が“なんで?”なワケですよ。CEV補助金130万円を差し引いても「あと50万円安ければ」という価格感。惜しい! というのが新型インサイトに対する偽らざる感想。
現在、インサイトが属するミッドサイズクロスオーバーのカテゴリーは、強力ライバルひしめく激戦区。それだけに、しっかりと台数を売れる体制を作って量販車種にしてほしい。
【画像ギャラリー】歴代インサイトと全然違うじゃん!! クロスオーバーBEVになった4代目を写真でじっくり(16枚)画像ギャラリー


















コメント
コメントの使い方