車体後部に装着されたカメラの画像をルームミラーに映すデジタルインナーミラー。夜間など、光学的なミラーでは視認性が悪化する場面でも後方視界を確保してくれるメリットがある一方で、画角が狭く後続車との距離感がつかみにくいという声も少なからず聞こえてくる。
デジタルインナーミラーで世界的に大きなシェアをもつ米国のジェンテックス社が開発した最新のデジタルインナーミラーは、その問題を解決する革新的製品だった。
いったいどんなミラーなのか?
文:鈴木直也/写真:ジェンテックス・ジャパン、梅木智晴(ベストカー編集部)
【画像ギャラリー】これは革命的! デジタルインナーミラーがこんなに見やすく進化した!(5枚)画像ギャラリーデジタルインナーミラーの弱点を一気に解決した秘策とは?
広く使われているのに製造元が知られていないケースって意外に多い。
たとえば、今回取材した米国のジェンテックス(GENTEX)という会社もその典型。自動防眩ミラーで世界シェア約8割、デジタルインナーミラーでも最大手。日本の自動車メーカーもジェンテックス社のバックミラーを採用している車種も多い。普段ふだん何気なく見ているバックミラーがジェンテックス製である確率は、実はけっこう高いのだ。
そんなジェンテックスが今いちばん力を入れているのが、デジタルミラーの機能アップとそのインテリジェント化。
筆者自身もそうなのだが、デジタルミラーにアレルギーを感じる人は少なくない。
まずは視線移動に伴うピント調整。ドライバーは運転中ほぼ無限遠を見ているが、デジタルミラーは注視するとき近距離に焦点距離を合わせ直す必要がある。老眼になるとこれがツライ。もうひとつは視野角の問題。画角固定のデジタルミラーだと、停止時に後ろのクルマが異常に近く見えるなどの違和感が残る。
こういう諸問題を大幅に改善したのが、ジェンテックスの第4世代デジタルインナーミラーFDM4。これに今回試乗してみた。
試乗して真っ先に感じたのは、いちばん気になるピント移動問題で、ハッキリ体感できるレベルの進化があったことだ。
もちろん、ミラー位置は変わっていないから原理的にピント調整は必要なのだが、8メガピクセルカメラと高精細LCDの採用が予想以上に効いている。
つまり、画像がきわめて高精細でクリアだから、チラッと一瞥するだけで必要な情報が認識できる。実は、デジタルミラーアレルギーの原因はピントよりむしろ画像クォリティにあったのでは……。そう思えるくらい、ピントに関するストレスをほとんど感じなくなったのだ。
速度に応じて画角がシームレスに変化する!
さらに驚きだったのが、速度に応じて画角が自動的に変化する自動ズーミング機能だ。一般的なデジタルインナーミラーは画角が50°前後で固定されているため、停止時には左右の画角が狭く、後続車が異常に近寄って見える違和感があるのが難点だった。
しかし、ジェンテックスが新たに開発した「第4世代」は速度に応じてシームレスに画角を変化させる。高速道路で車速が上がると画角を54°として後続車との自然な距離感をつかみやすくする一方、停車時は112°まで画角を広げて自車の真後ろ隣車線にいる車両まで捉える。これによって左後方からすり抜けようと接近するバイクや自転車もしっかりとインナーミラーに映してくれるのだ。速度に応じて画角は連続的に、自然に変化する。
これらによって、肉眼とは比較にならない夜間視認性や、後席乗員や荷物に影響されない画角など、まさにデジタルミラーならではのメリットだけを享受できるというわけだ。
自動運転時代に必須のドライバーモニタリングシステムとの統合などもジェンテックスが積極的に推し進めている新技術。これらと組み合わせることで今後、デジタルミラーの進化はますます加速しそうですね!










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