日産「5331億円赤字」の衝撃! それでも“本業は黒字”って!? 新型エルグランドに託す復活への道

日産「5331億円赤字」の衝撃! それでも“本業は黒字”って!? 新型エルグランドに託す復活への道

 日本の自動車メーカー各社から、2026年3月期の決算報告が続々と発表されている。ここでは「Re:Nissan」を掲げ、あらゆる手段で経営危機からの脱却を急ぐ日産にスポットを当て、2026年3月期決算の分析と今後の予想をお届けする。

※本稿は2026年6月のものです
文、監修:井元康一郎/写真:日産
初出:『ベストカー』2026年7月10日号

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巨額赤字を計上しまだまだ苦境が続く

日産の2026年3月期決算(△=マイナス)
日産の2026年3月期決算(△=マイナス)

 5331億円という巨額の最終赤字を計上した日産だが、本業での儲けを表す営業利益については580億円と、前期の698億円から減益となったものの黒字を確保している。中間決算時に2750億円の赤字という悲観的な予想を提示していたことを思えば、この数字は御の字と言っていいだろう。

 巨額の最終赤字は2年連続で、合計額は1兆2040億円にのぼるが、その多くは企業規模の縮小によって発生する減損損失というもので、現金支出を伴うものではない。営業利益がプラスというのは、とりあえず土壇場で踏みとどまっているという状況だ。

エスピノーサ社長の指揮のもと「Re:Nissan」を推進し、その効果は確実に出てきている
エスピノーサ社長の指揮のもと「Re:Nissan」を推進し、その効果は確実に出てきている

 しかし実情はきわめて厳しい。トランプ関税の影響もあって売上収益12兆78億円に占める原価の割合は前期よりむしろ悪化し、87.2%に達した。

 人件費や宣伝広告費などを差し引く前の粗利は前期比1534億円マイナスの1兆5399億円しか残らなかった。日産は経費を1兆4819億円と、前期比で1416億円ほど圧縮したが、粗利の減少分を埋めることはできず、前出のとおり営業利益減となってしまったのだ。

 この苦境から脱する手立てはあるのだろうか。それはひとえにリストラをしっかり遂行できるかどうかにかかっている。

売上高は十分も黒字化に苦しむワケ

日本での日産の命運を握るのが新型エルグランド。アル/ヴェルに真っ向勝負を挑む
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 日産の課題は、原価があまりにも高いことだ。例えばソニーは売上収益が12兆4796億円と日産に近いが、原価は8兆6352億円、原価率は69.2%ときわめて優秀。

 販売経費は日産よりはるかに多い2兆2986億円だが、営業利益は1兆4819億円という“爆益”を記録している。

 日産も生産設備や人員と事業規模のバランスを取って原価を下げれば、ソニーレベルとはいかずとも、収益性を向上させることは可能だ。が、これは言うは易し行うは難しで、経営陣の並々ならぬ意志力と手腕が問われるところ。

 クルマが売れる見込みがないなら工場を可及的速やかに閉める、工場を持つなら売れるクルマを作る。今期に明確な成果を出せないようだと日産は再び危機的状況に陥りかねない。まさに剣ヶ峰が続く。

●2026年度の予想

 人件費や営業経費などの削減は限界。工場閉鎖など身を切る改革の成果が待たれるが、電動化のトレンドが揺れるなか、稼働率が悪くとも切りにくい生産拠点もあるなど、ひと筋縄ではいかない。復活には時の運も必要だが、それを得られるか。

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