T2とPreferred Networks社は、高速道路における自動運転トラックの認識精度を向上させる新たな手法の共同研究を行なっており、その研究成果を8月に長崎で開催される「MIRU2026」で発表するという。
同手法は、自動運転トラックの実用化に向けた課題である「レアシーン」の認識精度を高めるAI学習技術で、安全性の高いレベル4自動運転トラックの早期実装に向け欠かせない技術となりそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/T2・フルロード編集部
仮想データをAIの機械学習に応用
T2は2027年度以降のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス開始を目指し、これまでレベル2自動運転トラックによる実証や商用運行を通じて膨大な走行データを収集。車両に搭載したカメラやLiDARなど各種センサーで、高速道路上の3次元物体を認識する技術の高度化を進めている。
いっぽう、自動運転の安全性を左右する歩行者や落下物などのレアシーンは、高速道路では発生頻度が極めて低く、実際の走行データだけでは自動運転システムに学習させる充分なデータを収集することが難しい。
また、大型トラックは乗用車より制動距離が長く、回避行動を行なうためには遠方の歩行者などを早期に認識する必要があるが、このような条件を満たす実際の走行データはほとんど存在していないという課題があった。
そこでT2とPreferred Networksが研究を進めているのが、実際の走行データに歩行者などの仮想データを違和感なく任意の位置へ合成する手法である。この手法によって、危険なシーンを人工的に生成し、AIへ効率的に学習させることができるようになる。
両社による実験では、生成したレアシーンをAIの機械学習へ応用し、歩行者の認識精度が向上する検証結果が確認された。同手法が確立されれば、高速道路上で突然現れる歩行者などをより早期かつ高精度に認識可能となり、自動運転システム全体の安全性向上に貢献する。
T2では今回の研究成果をもとに、実際の走行だけでは遭遇しにくいレアシーンに対応可能な認識モデルの開発を進める予定で、安全性の高いレベル4自動運転トラックの実現に向け期待がかかる。
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