日産が2021年に「クロスモーション」&「IMQ」という2車種の新型SUVを発売するとの情報が流れている。
同年春には新型「エクストレイル」の投入も有力になっているので、こちらとの関連も気になるところだ。
当サイトでは3月に、クロスモーションはエクストレイルとは別物の新型SUVではないかと報じた。
ただ、他の新型車投入予定もあるはずなので、こんな短期間で3車種もの新型SUVを発売するのは、普通に考えれば不可能といっても過言ではない。また、クロスモーション(X motion)の「X」は、エクストレイル(X-TRAIL)の「X」を示すのではないか。との指摘もある。
クロスモーションとIMQは、本当にエクストレイルと別物なのだろうか? 以下、遠藤徹氏が最新情報をもとに分析する。
文:遠藤徹
写真:NISSAN
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3列シートSUVのクロスモーションとスポーティSUVのIMQ
両モデルの概要をまず紹介すると「クロスモーション」は、2018年開催のデトロイトモーターショーで参考出品したプロトタイプで、アッパーミドルサイズの3列シートSUV。対抗モデルはレクサス RX、トヨタ ハリアー、マツダ CX-8などがあげられる。
パワーユニットは、3.5Lの1モーター2クラッチ方式パラレルハイブリッド、3.7Lガソリンエンジンの搭載が予想されている。
「IMQ」は、2019年春のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされたスポーティなクロスオーバーSUVである。
パワーユニットは新開発の1.5Lターボエンジンにe-POWERを組み合わせて搭載する。現行エクストレイルとほぼ同じクラスと考えてよいだろう。
日産が5月27日に発表した中期経営計画では、パワーユニットにおける技術開発でかなりの路線変更を行うことをにじませている。
電動車両開発において電気自動車戦略に基本的な変更ないが、ハイブリッド技術は大きく変えている。
1モーター2クラッチ方式のパラレル式ハイブリッドは、一部を残して凍結し、シリーズハイブリッドの「e-POWER」とマイルドハイブリッドに集中させるということである。
となると次期型エクストレイルは、2Lのパラレルハイブリッドをやめe-POWER、PHEV、マイルドハイブリッドで対応することになる。
e-POWERは、これまでの1.2Lのみから1.5Lといった排気量拡大ユニットとの展開もラインナップに加わるものと思われる。
新型エクストレイルと2台の関係性は?
次期型エクストレイルとクロスモーション&IMQはどのような関係性があるか。
エクストレイルとIMQは同クラスのモデルだから、同一との見方もある。
しかしながらエクストレイルがラフロード走行を強く意識した4WD主体モデルをコンセプトにしているのに対して、IMQはシティ走行中心の2WD志向モデルで、コンセプトの違いがあるため、次期型エクストレイルの派生モデル的な存在になる可能性が強い。
となると登場は2021年ではなく2022年に先送りされるかも知れない。
クロスモーションは、エクストレイルよりもひと回りサイズが大きく、3列シートだから、上級のアッパーミディアムクラスに位置づけられる。かつて存在したスカイラインクロスオーバーやムラーノの3列仕様バージョンともいえる。
当時はまだSUVマーケットが小さく、売れ行き不振で生産中止に追い込まれたが、最近はますます拡大基調にあり、3列シート多人数乗り仕様のニーズも高まっていることから、開発プロジェクトを稼働させているものと思われる。
投入タイミングであるが、こちらも2021年に国内発売するとは考えにくい。
北米を含めたグローバルマーケットが先行し、日本ではまず来秋開催の第47回東京モーターショーにプロトタイプを参考出品し、2022年から順次国内投入に踏み切られるものと予想される。
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