SUV人気が高まるなか、日産はコンパクトな「キックス」を発売する。
日産のコンパクトSUVには「ジューク」があったが、本稿筆者の渡辺陽一郎氏が販売店に取材したところ「2019年に欧州で新型ジュークが登場して、日本仕様は販売を終えた」とのこと。
欧州で登場した新型ジュークは、直列3気筒1Lターボエンジンを搭載して、トランスミッションは2組のクラッチを使う有段式ATと6速MTだ。国内市場との親和性を考えて、ジュークからキックスに切り替えることになった。
今回、渡辺陽一郎氏の取材により明らかになったトピックは以下のとおり。
・発売は6月24日(6月10日から延期)/メーカーへの発注開始も24日
・納車は実質8月1日以降(お盆休みもあるため本格的な納車開始は9月)
・エンジンはe-POWER/駆動方式は2WDのみ
・グレードは「X」/「X」2トーン仕様の1グレード2パターン(価格は本文後述)
以下、ついに価格も明らかとなり、発売まで2週間に迫った新型キックスの詳細をお伝えしたい。
文:渡辺陽一郎
写真:NISSAN、HONDA
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新型キックスは6月24日発売! ノートよりパワフルなe-POWER搭載で発進
新型キックスの発売日は2020年6月24日だ。当初は6月10日とされたが、新型コロナウイルス感染問題の影響を受けて延期された。
そして、現行キックスは、海外では2016年から売られている。従って新型車とは呼びにくいが、国内で販売されるキックスのe-POWERは、タイでも2020年5月に追加された。つまりキックス自体は新型車ではないが、e-POWERは新しい。
日本で販売されるキックス e-POWERの動力性能は、最高出力が129ps、最大トルクは26.5kgmだ。ノート e-POWERが109ps・25.9kgm、セレナe-POWERは136馬力・32.6kgmだから、キックスe-POWERの性能は両車の中間に位置する。
キックスの車両重量は、直列4気筒1.6Lノーマルエンジン車が1200kg前後だ。そうなるとキックスe-POWERは1300~1350kgになる。この車両重量で、モーターの動力性能が129馬力・26.5kgmであれば、余裕のある運転感覚を味わえる。
e-POWERでは1.2Lエンジンが発電機を作動させ、駆動は専用のモーターが行うため、ハイブリッドでありながら加速感覚は電気自動車に近い。この点も踏まえて、動力性能をノーマルエンジンに当てはめると、2.5L~3Lに匹敵する。
キックスのボディサイズは、全長が4295mm、全幅は1760mm、全高は1585mmとされ、生産を終えたジュークに比べると160mm長く、全幅は同程度で、全高は20mmほど高い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2620mmだから、90mmほど伸ばされる。
キックスはジュークに比べて全長とホイールベースが長いから、後席の足元空間も相応に広がるだろう。ファミリーカーとして使う場合、ジュークの後席は少し窮屈だったが、キックスであれば4名で快適に乗車できる。
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