後席でゆったりくつろぎたい。でも背もたれを深く倒すと、視線は天井へ向いてしまう。これでは前方のモニターも見づらい! そんなジレンマを解決するのが、新型日産エルグランドの2列目に採用された「デュアルリクライニング」だ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】背もたれを倒しても画面が見やすい!? 新型エルグランドのデュアルリクライニングは初代から受け継がれたものだった!!(14枚)画像ギャラリー背もたれ上部だけを起こして視線は前へ!
一般的なリクライニングシートは、背もたれ全体が腰の付近を支点に後方へ倒れる。深く倒すほど頭も後ろへ傾くため、前方のモニターを見るには首を起こしたり、顎を引いたりしなくてはならない。
新型エルグランドのデュアルリクライニングは、通常のリクライニングに加えて、背もたれ上部を独立して動かせる中折れ機構を備える。背中から腰まではゆったり倒しながら、胸から頭にかけては前へ起こせるため、くつろいだ姿勢でも目線を前方へ向けやすい。
これならルーフ取付タイプの後席専用モニターや、前席背面に装着するパーソナルリアモニターも自然な姿勢で見られる。スマートフォンを見る際にも、頭だけを無理に持ち上げる必要が少ない。単に「寝かせる」のではなく、くつろぎながら映像も楽しめるのがミソだ。
さらに2列目には電動オットマンを組み合わせ、背もたれの中折れ機構とともにゼログラビティシートを構成する。上半身を起こしつつ脚を支えることで、無重力状態をヒントにした身体への負担が少ない姿勢へ近づける仕組みだ。調整位置はメモリー機能で記憶でき、デュアルリクライニングとオットマンはX、G、VIPの全車に標準装備される。
ルーツは初代の超豪華仕様だった!
この仕組み、実はエルグランドにとってまったく新しい発想ではない。ルーツをたどると、初代エルグランドをベースに1998年に登場した4人乗りの特装車「ロイヤルライン」へ行き着く。
ロイヤルラインの助手席側後席は、くつろぎを重視したリラクゼーションシート。背もたれ上部を独立して調整できる電動シートバック中折れ機構を採用していた。つまり「初代から受け継がれた」という理解は大筋で正しい。ただし初代の一般的な量販モデルに広く装備されていたわけではなく、正確には特別なVIP仕様から始まった技術だ。
2010年登場の先代エルグランドも、7人乗りの2列目キャプテンシートに中折れ機能を設定。そして新型ではデュアルリクライニングとして磨き上げ、全グレードへ標準化した。約28年前のVIP専用装備が、いまや新型エルグランドの乗員全員をもてなす伝統装備へ。派手さはないが、長距離移動でじわじわ効きそうな賢い進化だ。
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