2025年1月の改良で、ソリオのパワートレーンは全車マイルドハイブリッドに統一された。モーターだけでも走れたストロングハイブリッドは、なぜ姿を消したのか? 新旧モデルの燃費や変速機を比べると、ソリオらしい合理的な判断が見えてくる。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】もはやフルモデルチェンジ並! 新旧現行ソリオを写真で比較!(14枚)画像ギャラリーEV走行もできた独自ハイブリッドはどこへ?
従来のソリオには、マイルドハイブリッドのほかに、ソリオ ハイブリッドSZとバンディット ハイブリッドSVが用意されていた。一般にストロングハイブリッドと呼ばれる仕様だ。
このシステムはK12C型1.2Lエンジンに駆動用モーター、6Ahのリチウムイオンバッテリー、5速AGSを組み合わせたもの。加速時のモーターアシストに加え、クリープ走行時や一定速走行時にはエンジンを止め、短時間ながらEV走行もできた。
WLTCモード燃費は22.3km/L。当時のマイルドハイブリッドが19.6km/Lだったため、2.7km/Lの差があった。ただし設定は2WDのみ。2023年時点でソリオ ハイブリッドSZは229万3500円と、マイルドハイブリッドのMZより19万9100円高かった。
さらに5速AGSは、機械式トランスミッションらしい高い伝達効率とダイレクト感が魅力だった半面、実際にギアを切り替える構造だ。滑らかさを重視するファミリーカーでは、変速ショックの少ないCVTのほうが幅広いユーザーに受け入れられやすい。
新型エンジンで燃費差がわずか0.3km/Lに縮小
スズキはストロングハイブリッドの廃止理由を細かく明言していない。しかし最大の背景は、マイルドハイブリッド側の大幅な進化と考えられる。
現行ソリオは、高速燃焼化や高圧縮比化を図ったZ12E型1.2L 3気筒エンジンとCVTを採用。ISGが減速エネルギーを回収し、加速時にエンジンをアシストする仕組みは従来同様だが、2WDのWLTCモード燃費は22.0km/Lまで向上した。
つまり、旧ストロングハイブリッドとの差はわずか0.3km/L。EV走行用モーターや容量の大きなバッテリー、専用の5速AGSを追加する割に、カタログ燃費で得られる優位性が小さくなってしまったのだ。
マイルドハイブリッドへの一本化により、現行型は全グレードで同じパワートレーンを採用でき、2WDだけでなく4WDも選択可能。価格もハイブリッドMGの192万6100円から用意され、上級のハイブリッドMZでも224万8400円に収まる。
モーター走行という個性が消えたのは惜しい。だが燃費差、価格、滑らかさ、4WDへの対応まで考えれば、一本化には十分な説得力がある。現行ソリオは電動感の濃さより、誰にでも扱いやすく、手頃で燃費もいいことを選んだ。これは後退ではなく、ソリオらしい現実的な進化なのだ。
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