デザイン性や空力性能向上の目的から生み出されたリトラクタブルヘッドライト。今では歩行者保護などの観点から採用されていないが、今でもあのギミックに憧れを抱くおじさん世代は少なくないはず。そんな一世を風靡したリトラ車を振り返ってみよう。
文:木内一行/写真:トヨタ、ホンダ、三菱自動車、CarsWp.com
【画像ギャラリー】理屈じゃない!! リトラクタブルヘッドライトはただカッコいい!(8枚)画像ギャラリー「国産リトラの歴史はここから始まった」 トヨタ・2000GT
海外のスーパーカーをはじめ20世紀には多くのリトラクタブルヘッドライト車が生まれたが、国産量産車として初めて採用したのは1967年に登場したトヨタ2000GTだった。
世界で通用する本格GTカーを目指してヤマハ発動機の協力を得て開発された2000GTは、トヨタ初のツインカムエンジンやラック&ピニオン式ステアリング、4輪ダブルウィッシュボーンサスや4輪ディスクブレーキといった当時最先端のメカを投入。
その高性能ぶりは、プロトタイプで参戦したレースや市販前に行ったスピードトライアルで実証されている。
そして、流麗で美しいスタイリングのボディにリトラを装備。ただ、当初はグリル両側にヘッドライトを設置する予定だったがそれだと北米の法規(高さ)に合わないためリトラに変更。空力を意識したものではなく、法規的な対応だったようだ。
とはいえ、2000GTのデザインが後の国産車に与えた影響は大きく、その後も主要スポーツカーにリトラが採用された。
「カウンタックか!? 前代未聞の4灯式リトラ」 マツダ・コスモ
トヨタ2000GT以来のリトラクタブルヘッドライトを初代サバンナRX-7に採用したマツダは、大胆なデザインにも積極的だった。それが1981年に登場した2代目コスモだ。
コスモといえばコスモスポーツの印象が強いが、この2代目コスモも強烈な個性を放った1台。採用されたリトラは丸目2灯とか角目2灯ではなく、カウンタックばりの4灯だったのだ。
ボディバリエーションは4ドアセダンと4ドアHT、2ドアHTをラインナップし、HT系のみリトラを採用。もちろん空力アップのためで、2ドアHTのCd値は世界トップクラスの0.32を達成した。
ただし、当初こそ注目されたもののあまりにも個性が強すぎたため1983年のマイナーチェンジで4ドアHTは固定式ライトに変更(2ドアHTはリトラのまま)。皮肉な結末となってしまった。
【画像ギャラリー】理屈じゃない!! リトラクタブルヘッドライトはただカッコいい!(8枚)画像ギャラリー「セダンながらリトラでスラントノーズを実現」 ホンダ・アコード/ビガー
リトラクタブルヘッドライトというとスポーツカーのイメージが強いが、ホンダが1985年にリリースしたのはセダン。3代目アコード/2代目ビガーはセダンながらリトラを採用し、スーパースラントノーズのローフォルムを実現した。
セダンとリトラの組み合わせは斬新でデビュー直後から話題に。さらに、このマスクが強烈なインパクトを残したのはもちろんだが、中身も前衛的だった。
新設計の軽量・高剛性モノコックボディやFFとして世界初の4輪ダブルウィッシュボーンサス、4wA.L.B.(4輪アンチロックブレーキ)などの先進技術を惜しげもなく投入。2リッター直4DOHCのB20Aはプレリュードに先駆けて搭載された。
また、アコードには約1カ月遅れで3ドアのエアロデッキも投入。セダンのようにヒットすることはなかったが、ロングルーフのビュレットフォルム(弾丸形状)は独創的だった。











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