2020年6月17日、発売開始により、とうとう新型ハリアーの全貌が明らかとなった!
他のSUVと一線を画す、シンプルながらもエレガントさと逞しさが融合した流麗なクーペフォルムは、歴代ハリアーの最大の魅力だ。4代目にあたる今回の新型ハリアーでは、クルマのポテンシャルをさらに磨きあげた上で、実用性や数値一辺倒ではない、人の心まで優雅に満たしてくれるようなクルマ作りを目指したという。
本記事では、発売で明らかとなった新型ハリアーの価格とともに、新型ハリアーがどれほど進化したのか、迫ってみようと思う。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、ベストカー編集部
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アル/ヴェルとは異なる「威圧感」を放つエクステリア
前型である3代目ハリアーの登場は2013年12月。2代目まで、ハリアーは「レクサスRX」とモデルが共用されていたが、この3代目からRXとは決別。国内専売モデルとして、日本の道路事情にあわせたボディサイズを得た。
2代目ハリアーに対し、ボディ寸法やホイールベースはサイズダウンされたが、歴代ハリアーの伝統である、デザインや乗り心地の良さは、受け継がれた。また、軽量化されたことに加え、パワートレインもダウンサイジング&新設計されたことで、燃費性能も大きく向上した。
4代目となる今回の新型であるが、実に流麗なプロポーションをしている。フロントアッパーグリルからヘッドランプへと流れるようなシルバーラインが、精悍かつシャープな印象を与えている。 二重のL字型に発光する薄めでシャープな「シグネチャーランプ」は、新型ハリアーの特徴のひとつだ。
サイドガラスの上下幅が狭いことで、キャビンがクーペのようにも見える。ドアにサイドミラーがつくかたちになっていることで(※先代はピラーにサイドウィンドウ)、運転席からの死角が格段に減った。細く、鋭く、横一文字に光るテールランプとストップランプからは、同社のアルファードやヴェルファイアとは異なる威圧感を感じる。
インテリアの進化も素晴らしい。センターコンソールは幅広く、上質な革で表皮が覆われている。トヨタによると「馬の鞍」をイメージしているとのこと。インストルメントパネルとのつながりも左右対称のようにも見え、すっきりとしている。ダッシュボードに使われている素材の質感も高い。「曲木(まげき)」に着想したウッド調加飾やパイピング加飾を随所に配し、上質感を演出している。
またトヨタ車初採用となる、調光ガラスを用いた電動シェード付パノラマルーフも装備。走行中の前後方向映像を録画可能なデジタルインナーミラーも、トヨタ車として初採用となる。こうした先進機能は、新型ハリアーの魅力であり、ライバル車に打ち勝つ、強力な武器となるだろう。
走り出した後も感じる「上質感」
しかし、新型ハリアーは見た目だけではない。新型ハリアーには、RAV4で非常に評価が高かった、TNGAプラットフォーム(GA-K)が採用されており、ボディの高剛性化や低重心化など、SUVとしての走りや快適性といったポテンシャルが、3代目に比べて、大きく向上している。
パワートレインもRAV4と同じだ。ガソリンエンジンは、2.0リットル直列4気筒直噴エンジン(M20A-FKS)。TNGAによって一新した、最新のダイナミックフォースエンジンとDirect Shift-CVTと組み合わされる。
ハイブリッド仕様もRAV4と同じく、2.5リットルダイナミックフォースエンジン(A25A-FXS)を採用した、ハイブリッドシステムのTHSⅡだ。4WD車はE-Four(電気式4WDシステム)となる。ガソリン仕様・ハイブリッド仕様、どちらを選んでも、ダイレクト感ある走りと、優れた燃費性能を体感できるだろう。
サスペンションもRAV4と同様、フロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用。
バランスの取れた高剛性ボディと、徹底的な走り込みによる前後のサスペンションジオメトリの最適化によって、重厚感としなやかさを併せもつ乗り心地を実現。2mm/秒という極微低速のピストン速度域でも、スムーズなストロークの動きを確保したショックアブソーバーが採用されている。
ノイズ対策も徹底している。新型ハリアーでは、吸遮音材と制振材がより効果を発揮するよう、その配置にこだわり、さらには高遮音ガラスを採用するなど、徹底したNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)対策が施されている。これにより、走りの質感はぐっと上がり、様々な道路環境において、ワンランク上の、優雅で心地よい静粛性を享受できるはずだ。
これらさまざまな技術の組み合わせにより、新型ハリアーは、走り出した後も期待を裏切らず、「いいクルマ感」を体感できることだろう。
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