2003年に販売を終了したマツダ RX-7。その魂を継承するのが、同じく2003年に登場したマツダ RX-8だ。自然吸気エンジンとしてロータリーを引き継ぎ、変則4ドアでスポーツと実用性を両立したRX-8がロータリースピリットを受け継ぐ!!
※本稿は2026年8月のものです
文:奥津匡倫/構成:ゴリ奥野/写真:マツダ、ゴリ奥野
取材協力:Rマジック
初出:『ベストカー』2026年9月26日号
ベストカー流「NEWネオクラカー」の定義
もはや手が届かないところまで価格が高騰してしまった平成ネオクラシックスポーツ。だが、金額やタマ数など、何とか現実的なところに止まっているものもまだある。
そんな近年の国産スポーツモデルを“NEWネオクラシックカー”と命名。スポーツモデルを楽しむのは夢の話と諦めるのはまだ早い。
今回のお題は最後のロータリースポーツ、RX-8。自然吸気となったエンジンやスポーツカーと思えぬ実用性など、それまでとは異なるロータリースポーツ像を提案した意欲作だ。超プレミアムモデル化したRX-7と異なり、お値段は今でも比較的お手頃。
優れたバランスによるハンドリングもさることながら、世界で唯一、マツダだけが長期にわたり量産し得たロータリーエンジンのフィーリングなど、このクルマだからこそ味わえる魅力も多い。
この先、動力としてのロータリーエンジンは出てこない可能性も高く、今のうちに味わっておくことをオススメしたい。
マツダ RX-8の歴史
ロータリーエンジン(以下、RE)を搭載したスポーツカーの代名詞的存在ともいえるRX-7の販売が終了したのが2003年4月。その1カ月後に発売開始された次世代REスポーツがRX-8だ。
ターボだったエンジンは自然吸気となり、申し訳程度でしかなかったリアシートも大人が普通に乗れるものとされるなど、スポーツカーでありながら現実的な実用性を持っていたことも話題となった。
特徴的なこのスタイルは、当時の親会社だったフォードが課した条件が4ドアであったためと言われている。
普通に考えれば、ありきたりな4ドアセダンになってしまいそうなところを、観音開きの小さめのリアドアという方法でスポーツカー的スタイルを実現したことは見事過ぎる折衷案と言える。
余談ながらこのリアドアはアルミ製。軽さへのこだわりはマツダのスポーツカーらしいところだ。
RENESIS(レネシス)と名付けられたエンジンも注目すべきポイントだ。基本的な型式こそそれまで同様の13Bながら、大幅な改良を受け13B-MSPとなった。
自然吸気でありながらタイプS用はカタログスペックで250ps(前期モデル)、9000rpmを許容した。
だが、このエンジンの凄いところは、REが苦手とする低速域のトルクやシャクリ感が抑えられ、格段に扱いやすくなっていた点と、それまでより改善された燃費など、エンジンの洗練度が大きく高められていたことにある。
その扱いやすさは、デビュー当初、有名REチューナーも驚きを口にする人が多かったほどだ。また、そんな特性はATとの相性もよく、AT率が高かったこともRX-8ならではの特徴だった。余談だが、燃費も高速なら10km/Lを超え、巷で言われるほど悪くはない。
前期仕様のエンジンは組み合わされるミッション(6速MT、5速MT/4速AT、6速AT)によって3種の仕様が設定され、吸気ポートも4つと6つのものが存在していたが、2008年3月にマイナーチェンジを受けて以降の後期型では、すべてがトップグレードと同等の6つの吸気ポートを持つ仕様へと統一。
カタログスペックの数値こそ前期モデルより15ps低いものとされたが、エンジン自体の完成度や信頼性も高められ、Rマジックの大原代表をして「全然別物」と言わしめるほどの進化を果たしている。現状、乗って楽しめるREの集大成とも言えるのがこの後期エンジンだ。
なお、250psから235psになった出力は、レギュラーガソリンへの適合と説明されているが、実際の出力に近づけたものである、という噂も根強かった。実際、乗ってみても、速さやパワー感に違いは感じられなかったと記憶している。
RX-8は’03年から’13年まで10年のモデルライフを持つが、前述のように’08年3月以降の後期型はスタイルを含め各部が変更されている。前期と後期はスタイルのみならず、変更点はエンジンやミッションが別物になっているなどかなり広範囲に及んでおり、エンジンは前後期で互換性がないほどの変更を受けている。
コンセプトカーの雰囲気を残す前期型のスタイルも人気はあるが、クルマの完成度という点では後期型に軍配を上げざるを得ない。購入を検討している人は、そのあたりをよく考える必要があるだろう。























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