2022年9月に登場したFL5型ホンダ シビック タイプR。発売から4年が経過し、中古車市場にも相当数が流通するようになった。ところが驚くのはその価格。新車時の価格を上回る中古車がいまだに珍しくないのだ。普通なら年式が古くなるほど安くなるはずなのに、なぜタイプRだけは値落ちしないのか? その理由を探ってみよう。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】サイドミラーの赤アクセントがイイ!! アクセス純正パーツをつけたシビックタイプRがコレ!(9枚)画像ギャラリー4年落ちでも新車価格超え!! FL5の中古車相場は異常事態!?
2022年9月に登場したFL5型シビック タイプR。当時の新車価格は499万7300円だった。330psを発生する2L直列4気筒VTECターボエンジンに6速MTを組み合わせ、ニュルブルクリンクでもその実力を証明した本格スポーツモデルが500万円以下。発売当時はお買い得という声も多かった。
では、発売から4年が経過した2026年10月現在、中古車はいくらで売られているのか?
中古車情報サイトを調べてみると、FL5型の中古車は車両本体価格500万~600万円台の物件が目立つ。なかには700万円を超える強気の値付けも見られる。
具体的には、2022年式で走行距離1万6000kmの個体が525万円、同じ2022年式で走行距離1万9000kmの個体が569万8000円といった具合。いずれも当時の新車価格を上回っているのだ。
もちろん、すべてが新車価格超えというわけではない。走行距離5万8000kmの2022年式には455万円という物件もある。それでも4年落ちの中古車として考えれば、値落ちは極めて小さい。
なお、2025年1月には内装をブラックで統一したレーシングブラックパッケージが599万8300円で登場し、同年9月には617万9800円へ値上げされている。
つまりFL5型の中古車を探す際には、標準仕様とレーシングブラックパッケージを区別して価格を判断する必要がある。とはいえ、初期型の標準仕様が新車時より高く売られているという事実には驚かされる。
330psの6速MTは唯一無二!! 高値を支える3つの理由
なぜFL5型の中古車はこれほど高いのか? 最大の理由は、やはり需要に対して供給が限られていることだろう。
そもそもFL5は発売直後から注文が殺到し、納期が長期化。受注を停止した時期もあり、欲しくても新車を注文できないという状況が続いた。
中古車なら気に入った物件を見つければ比較的短期間で納車される。多少のプレミア価格を払ってでも、すぐに手に入れたいという人がいるのだ。
2つ目の理由は、FL5そのものの商品力の高さにある。
最高出力330ps、最大トルク420Nmという強烈なエンジンを搭載しながら、トランスミッションは6速MTのみ。しかも単に速いだけでなく、街乗りでの快適性や日常の使いやすさまで備えている。
世界的に電動化が進み、大排気量の高性能エンジンとMTを組み合わせたスポーツカーが少なくなるなか、FL5は代わりの利かない存在なのである。
そして3つ目は、タイプRというブランドそのものの強さだ。
歴代シビック タイプRを振り返ると、EK9型やFD2型など、年式が古くなっても高い人気を維持しているモデルが多い。単なる中古の高性能車ではなく、ホンダのスポーツカーの歴史を受け継ぐ特別な1台として評価されているのだ。
では、これからFL5を中古で買うのは損なのか?
必ずしもそうとはいえない。高い中古車価格は、そのクルマに強い需要があることの裏返しでもある。ただし、今後も高値が続く保証はないし、購入する際には修復歴や整備履歴、サーキット走行による消耗などを慎重に確認したい。
普通の中古車なら値落ちを待つのが賢い買い方。しかしFL5型シビック タイプRの場合、欲しい時が買い時という考え方も十分に成り立つ。そんな特別なクルマなのである。
価格確認:2026年10月のグーネット掲載物件、およびホンダ公式発表に基づく。中古車価格は車両本体価格で、掲載状況により変動する。
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