近頃、東京都内を走っていると「ピカピカのトヨタ ランドクルーザー60系」をしばしば見かけるようになった。
60系とは、1980年から1990年まで製造販売された、今となってはちょっとレトロに見える(だからこそかわいい感じの)ランドクルーザーだ。
だが、最終型でもすでに30年落ちとなるランクル60系にしてはあまりにもキレイだな……と不思議に思い、調べてみると、それらは全国に42店舗を構えるFLEXがプロデュースしている「Renoca(リノカ)」という「新車でも中古車でもないリノベーションカー」であるらしい。
80系や100系ランドクルーザーに、60系のフロントセクションを移植するなどして作り上げたものなのだ。
リノカとは果たしてどんなもので、いったいいくらで買えるのか? 中古車事情に詳しいライター、伊達軍曹が迫ってみた。
文/伊達軍曹
写真/伊達軍曹 FLEX
取材協力/FLEX
【画像ギャラリー】これはカッコいい! レトロな60系風に大変身したランクル80/100を写真でチェック!
リノカのランクルを実際に見に行ってみた!
さっそく、筆者はリノカのフラッグシップショップである「Reanoca世田谷店」を急襲。チーフの鈴木健斗さんに、リノカのことを根掘り葉掘り聞いてみることにした。
――ということで鈴木さん、「Renoca(リノカ)」のランクルって個人的にはめちゃめちゃカッコいいと思うのですが、巷の反応や反響は?
Renoca世田谷店 鈴木健斗さん(以下、鈴木さん) ありがとうございます。おかげさまで大好評でして、かなり忙しくさせてもらってます!
――リノカ事業を始めたのって割と最近なんですか? 今、世界的に“レトロな物”がウケてるということで。
鈴木さん いや、そうではなく、当社ではずいぶん前から「80系ランドクルーザーに60系のフェイスを移植し、内装の作り替えやオールペンも行って、全体を“懐かしい感じ”に仕上げる――というのをやっていたんです。
――そうなんですか?
鈴木さん そうなんですよ。で、それがずっと静かな人気だったのですが、ここ最近のレトロな物ブームの影響か、さらに人気が高まってまいりまして、それを受けて今から3年ほど前に、私どもが作ってきたクルマに改めて「Renoca」という名前を付けた……というのが正確な流れです。
――なるほど……。ちなみに御社のリノカって、遠目から外観を見たことしかないのですが、内装とかはどんな感じになってるんですか? ていうか、対象となるベース車はランクルの80系だけなんですか?
鈴木さん そのあたりは「百聞は一見にしかず」ともいいますから、とりあえず現車を見てみてください。
例えばこれは、ランクル80系の最終モデルにRenocaオリジナルのランクル60丸目フェイス(新品)とメッキフロントバンパー(新品)を移植し、全塗装と足回り&タイヤ&ホイール交換等々を行ったものです。ただしこの個体の場合は、内装はノーマル状態です。
――サンドベージュっていうんでしょうか? この色と60系のフェイス、そして全体の雰囲気とがめちゃめちゃ合ってますね! リノカが対象としているのはランクルだけなんですか?
鈴木さん ほかに95プラドと、ハイエースもやってます。たとえばこのハイエース、ご覧になってください。
「COAST LINES」というシリーズで、角目4灯フェイスに換装したうえでオリーブグリーン×ホワイトにオールペンし、その他もろもろの外装カスタマイズも施しながら、車内の後部はフラットベッドにもなるようカスタマイズし、木目フロアフローリング施工もしています。
――すげえいい感じですね……。
鈴木さん ハイエースだと、ほかにはこんな感じの内装も人気ですね。上質なソファに使われているレザーとファブリックでシートカバーを作ってまして、ブラウンのフロアマットも弊社のオリジナルです。
――うおおおおおおお! このインテリア、超絶趣味がいい!!!
鈴木さん ありがとうございます(笑)。
――当然ながらこれらのリノベーションカーは、「内外装の見える部分をリノベしました」というだけでなく、いわゆる機関や足回りなどの整備も行われるわけですよね?
鈴木さん それはもう当然そのとおりです。「外はクラシカル。中は新しい」というのがリノカのテーマですから、古い世代のベース車両であっても現代の交通環境下で快適かつ安全にお乗りいただけるよう、万全のメンテナンスを施します。
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