最高価格985万円!?? どんどん値上がりするRX-7とRX-8は今が最新車に乗る最大の好機!!

 人気女性Youtuberの“てんちむ”さんがFD3S型RX-7を買ったそうですね。さらにマンガ、アニメともにすさまじい人気を誇る『名探偵コナン』(青山剛昌著)における大人気キャラクター、安室透の愛車ということで、さらなる人気を博している。

 そこで、ロータリースポーツ、FD3S型RX-7、そして最後のロータリー車、RX-8は今いくらで買えるのか、FD3S型RX-7のオーナーでもあったモータージャーナリストの岡本幸一郎氏が迫ってみた。

 2車種の中古車相場を分析するとともに、それぞれの魅力について、徹底解説する。


文/岡本幸一郎
写真/ベストカー編集部 マツダ

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FD3S型RX-7は異常とも思える高騰ぶり

2002年8月に生産終了したFD3S型RX-7はどのくらい高騰しているのだろうか?

 1992年から95年にかけて、筆者はベストカーと同じ建物にあった月刊の自動車情報ビデオマガジンの編集部に在籍していた。

 そのなかの名物企画で、筑波サーキットで「バトル」と称した模擬レースをするのが恒例となっていた。

 R32スカイラインGT-RやNSXなどスペックで上回る280ps軍団に対して、当時は280psに達しておらず、一見すると劣勢に見えたFD3S型RX-7が互角かそれ以上の走りを披露するさまをたびたび目の当たりにしてきた。

 その後、フリーランスになってからもロータリースポーツの専門誌に携わっていたこともあり、RX-7とRX-8に触れる機会には恵まれていた。

 FD3S型RX-7の開発責任者である小早川隆治氏と対談する機会にも恵まれた際には「ゼロ作戦」と名づけられた徹底的に軽量化した話は非常に印象的だった。RX-8の開発責任者である片渕昇氏からも、RX-8やレネシスが生まれた背景の逸話を聞き興味深く思ったものだ。

 そんな筆者はすっかりFD3S型RX-7に魅せられ、プライベートでも2型、4型、6型の3台を乗り継いだ。

 本来は一生モノのつもりで手をかけていたが家庭の事情で手放さざるをえなくなった3台目のFD3Sを手離してずいぶん経つが、その後もまた手に入れるチャンスはないかと思い、ちょくちょく中古車情報をチェックしていた。

 ところが、ちょっとがんばればまたいつでも買えるなと思っていたのに、あれよあれよという間に価格が上がって、いまやえらいことになっている。

 このところの絶版人気車の高騰ぶりには驚くばかりだが、FD3S型RX-7もまさしくそれを象徴する1台だ。かたやRX-8も程度のよい個体はそれなりに高値となっている。

ロータリーエンジンが収まる低いボンネット、特徴的なロングノーズ&ショートデッキのスタイルは今見てもまったく色褪せていない
スプリットRタイプAのインテリアはソフト塗装インテリアパネルをはじめ、レッドステッチ入りステアリング/シフトノブ(NARDI社製レザーステアリング、レザーシフトノブ、レザーパーキングブレーキレバー&ブーツ、MT車シフトブーツ)を装備
スピリットRタイプAに装着されているレカロ社製専用フルバケットシート。車両重量は全体で約10㎏軽量化

現在FD3Sの平均中古車価格は約354万円!

RX-7史上最も走りの性能を高めたモデルであり、最後の限定車にふさわしい究極のRX-7、スピリットRタイプA

RX-7の中古車情報はこちらをクリックすると見られます!

 大手中古車検索サイトによると、2020年8月下旬時点で、FD3S型RX-7は全国で82台がヒットし、価格帯は178万~985万円で、なんと平均価格が約354万円と新車価格並みだ。

 別の大手中古車検索サイトでも、125台で平均価格は約235万円となっていた。しかも幅広い価格帯にちらばっていて、特殊な個体が特別に高いわけではなく、全体的に価格がかなり高くなっている。

 「応談」と表示された個体も多く、なかには走行0.1万kmのスピリットRタイプAがあった。

 上記の985万円の個体が同じタイプAの走行0.7万kmなので、0.1万kmだといったいいくらの値がつくことやらという状況だ。

 これほどの高値となっているのは、それだけの価値があるからにほかならず、欲しいという人が大勢いて、高くてもお金を払う人がいるからそうした価格になっているのはいうまでもない。

 そういえばつい最近も人気女性youtuberの“てんちむ”がFD3S型RX-7を購入したことがニュースに上がっていた。FD3S型は彼女にも興味を持たせて買わせてしまうほどの力を持ったクルマというわけだ。

 どこがそんなに魅力なのかというと、まずデザインの力が大きいのは想像に難くない。

 リトラクタブルヘッドライトでファストバックというスポーツカーはほかにもいくつか存在したが、FD3S型RX-7だけは別格的にスタイリッシュだったように個人的にも思っている。

 おそらくその女性タレントも、第一にデザインに惹かれたのではないかと思う。

 そしてドライブしてもほかのクルマにはないピュアスポーツぶりを味わわせてくれること。

 くだんの女性タレントがどのくらい走りに惹かれたのかどうかはわからないが、シーケンシャルツインターボのロータリーを搭載したハイパワーのFRスポーツと聞けば誰しも心躍らせるはずだ。

 そんなFD3S型RX-7のモデルライフをざっと振り返ると、詳しい人はご存知のことと思うが、1型から6型まである。そして初期型と後期型ではクルマの性格が別物といえるくらい違う。

 いつだったかベストカー本誌で、「長期間、変わらなさすぎたクルマ」という旨の切り口の記事でFD3S型RX-7のことも書かれていたのを見て、筆者は「そんなことはないです!」とプチクレームを伝えたこともあったくらいだ (笑)。

最終的に280psとなったRX-7の13Bロータリーエンジン

 エンジンからして255psでスタートした13B-REWは、4型で265psに、5型で280psとなったわけだが、4型でCPUが8ビットから16ビットになったり、6型でアブレダブルシールを採用したのが特徴で、出力だけでなくレスポンスやフィーリングも少なからず変わっている。

 むしろエンジンよりも大きく変わったのがシャシーだ。切れ味という意味では、1型や2型あたりのほうが鋭かったといえなくないが、雨の日はアクセルを踏めないくらいシビアな操縦性だった。

 特に1型はボディ剛性が向上し、サスペンションチューニングを見直しタイヤサイズを2型はだいぶ改善されている。こうして徐々に乗りやすく改善され、5型で激変した。

 カミソリのような切れ味はマイルドになった気もした半面、フトコロが深くなり乗りやすくなった。

 ある程度はロールを許容する足まわりとなったが、安定感と安心感が段違い。乗り心地もよくなった。

 そんなFD3S型RX-7は、2002年8月にスカイラインGT-R、S15シルビア、80スープラとともに惜しまれつつ生産中止となった。

 むろん代を重ねてどんどん熟成されていったことには違いないが、その過程で改良されたパーツの大半は、6型のブレーキなど特殊な例もあるが、基本的にどの世代にも流用可能なので、購入後に交換できると思ってよい。

 その意味では年式や何型であるかにそれほどこだわらなくてよいといえる。

 中古車の大半は大なり小なりいじられて、それをノーマルにもどしたものも少なくない。あくまでコンディション重視で選び、あとは必要に応じて、あるいは好みに合わせて手を加えていくとよいだろう。

4シーターのRX-8はどうか?

2003年5月にビューした4シーターロータリースポーツ、RX-8。9000rpmまで電気モーターのようにストレスまで回るロータリーエンジンのフィーリングに驚いたものだ
4シーターのスポーツカーということで家族持ちにはありがたかった

 一方、RX-8は2003年5月に発売され、2012年6月に生産終了となるまで9年間、現役をつとめた。

 こちらも途中で何度か大がかりな改良が加えられているが、実は出てまもない頃に燃焼や冷却面での問題があり、短期間で何度も表に出ない改良が加えられている。

 現在、中古車として流通している個体は対策された改良版の内容になっているものが大半と思われるが、低年式の個体の購入を検討する際には念のために確認しておいたほうがいい。

 RX-8も時間の経過とともに洗練されていったのはいうまでもないが、いくつか節目がある。

 まずAT派には、せっかくRX-8を狙うからには、2006年8月以降の6速AT搭載車を絶対的にお薦めしたい。この際、エンジンも6ポート仕様に変更されている。そもそもせっかくパドルシフトがあっても、4速ではあまり意味がない。

 また、2008年3月に大がかりなマイナーチェンジを実施した。この際、数々の専用装備の与えられた新たに設定された「タイプRS」が非常によかったと記憶している。走りを求めるなら指名買いしたほうがよい。

 さらに、2009年5月の一部改良で、レインセンサーワイパーやオートライトシステムなどの快適装備が標準となった。

 なお、2011年11月に最後の特別仕様車として発売された「スピリットR」は、当初は1000台限定の計画だったところ、あまりに受注が好調だったため、2012年4月にプラス1000台の追加生産が報じられた。

RX-8の中古車の平均価格は約64万~約102万円

 RX-8の中古車の流通状況は、同じく某大手検索サイトでは343台と346台とほぼ同じで、平均価格は約64万円と約102万円となっていた。

 価格帯は10万円台から約360万円まで。年式相応に安い個体もかなり数多く流通しているのだが、程度のよい個体はけっこう割高感のある相場となっている。

RX-8の中古車情報はこちらをクリックすると見られます!

インパネセンター部からセンターコンソール、リアエンドへと、キャビン中央を貫いて連続する躍動感ある造型としたコクピット

この夏RX-8スピリットRを試乗!

2020年夏、マツダが所有しているRX-8の広報車を試乗

 RX-8スピリットRの広報車をマツダはまだ用意してくれており、せっかくの機会なので借り出した。

 2012年にもレビューしたまさしくその個体が、まだグッドコンディションを維持して取材対応に活躍しているのだ。

 年単位で間が空いたのは確実だが、ロータリーをドライブするのはいつ以来だろうか。

 最近ではさすがに筆者もロータリーに乗る機会がめっきり減っているわけだが、かつてFD3Sを愛車にしていたときには毎日のように聞いていた始動音やアイドリング時の音からして、ほかのクルマにはない独特の世界観がある。

RX-8に搭載された654㏄×2の13Bロータリーエンジンは、前期型の標準モデル(5速MT/4速MT)が215ps/22.6kgm。タイプSが250ps/22.0kgm(6速MT)。後期型のタイプSは235ps/22.0kgmとなった

 エンジンフィールもいうまでもなく独特。昔と違って最近は自分自身もエコドライブが染みついて、あまり上まで回さなくなったのだが、久々にドライブしたロータリーは、まるでエンジンがもっと回してくれと訴えてくるかのようなフィーリングを伝えてきて、思わずふだんよりも踏んでしまった。

 かつては身近にあったので、そのありがたみをあまり意識せずにいたのだが、あらためてロータリーの価値をヒシヒシと感じた次第である。

 FD3Sが大好きだった筆者にとって、RX-8のコンセプトはいまひとつすんなり受け入れられず、マツダ社内にも快く思っていない人が少なくなかった話も耳にしたが、当時は子どもがいなかった筆者も、いまでは二児の父となり、RX-8のファミリーカーとしての価値を確かめるべく、家族を乗せて少しドライブしてみた。

 リアシートにISO FIX対応のチャイルドシートが装着可能とのことだが、この独特のドアとコクピットを目にして、すでにクルマ好きの片鱗を見せている4歳の長男がとても喜んでいたのも印象的だった。

RX-8がファミリカーとして使えるか、奥さんと子供2人を乗せて試乗。観音開きで乗降性もよかった

いまロータリースポーツを買うべきか?

 FD3S型RX-7は、もはや欲しい! と思っても簡単に手を出せないところまでいってしまった感もあるが、この先もますます入手が困難になっていくはず。

 一方のRX-8は、FD3S型RX-7のようなピュアスポーツではないにせよ、個性的な存在には違いなく、気になっている人は少なくないだろうし、家庭等の事情でハナからFD3S型RX-7は買えないけれど、RX-8なら検討の余地があるという人も少なくないはず。

 どちらもゆくゆくもっと遠い存在になってしまう前に、興味のある人はアクションを起こしたほうがよいかもしれない……と、書いている自分もまさにそう思っている。

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