地震、台風、落雷、ひょう害……自然災害で愛車に被害が及んだ時、保険は降りるのだろうか?
実は一般的な車両保険に入っていても、被害原因が『地震か、それ以外か』で事情は大きく違い、いくつかの“例外”もあるのだ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部、shutterstock.com
一般的な車両保険では地震の被害は「適用外」
大地震が発生したら……走行中なら道路が寸断され、車が被害を受ける場合もあるだろうし、駐車場に車を停めていても、瓦礫の落下で車が損傷するケースもある。そうなった時に保険が降りる否かは生活にも関わる大きな問題。
地震による被害で、一般的な車両保険は降りるのか? 自動車保険業界最大手の損保ジャパン日本興亜に取材すると、次のような回答が返ってきた。
「(地震による被害は)車両保険に入っていてもお支払いの対象外となります」(損保ジャパン日本興亜広報部)
つまり、地震で車が壊れたら、一般的な車両保険に入っていても保険は降りない! でも、地震の場合さまざまな“例外”があるのだ。
地震の復旧作業で窓を壊された車なら修理費用は「降りる」
その例外のひとつが、『道路の復旧作業でやむを得ず車が壊された場合』だ。筆者が首都高速道路の防災訓練を取材した時のこと。作業員が複数の立ち往生した自家用車を移動させ、速やかに道路を復旧するという訓練がおこなわれていた。
作業員はおもむろにハンマーのようなものを手にしたかと思うと、立ち往生している車の窓ガラスを割り(実際は割るそぶり)、ある貼り紙をボンネットに置いていった。
実は、この貼り紙には次の3つのことが書いてある。
・緊急通行車両(警察、消防、自衛隊等の車両)の通行を確保するため、お客様の車両の移動等が必要な場合、やむを得ない限度で、車両等を破損することがある
・上記の破損等は、補償対象になる
・首都高の担当者名と連絡先の記載
首都高に問い合わせると、「(やむなく車を破損した場合)記載の当社連絡先あてにご連絡いただき、修理に必要な費用を補償する」とのこと。
つまり、地震の時に首都高の復旧作業で壊された車の修理費用は補償の対象になる。
この場合、保険などで修理費用が支払われるのではなく、各人が車を修理し、かかった費用を後で首都高に請求するという形になる。
コメント
コメントの使い方