2012年6月にRX-8が生産終了して以来、新車としてのロータリーエンジン搭載車は日本国産市場から姿を消している。
そんななか、当サイトでもたびたび報じている新型ロータリーエンジン搭載スポーツカー。「マツダ社内で開発は進んでいる」という情報を信じて、何度となく進捗状況をお伝えしている。
そんなロータリーエンジン搭載車の現時点での開発状況を、本稿ではいままで掴んだ情報をもとに整理してお届けしたい。
文:ベストカー編集部
『ベストカー』2018年3月26日号より
■当初は「発電用エンジン」だったがスポーツ仕様にチェンジ
2017年12月、ドイツ・ニュルブルクリンクに1台のテスト車が走行している姿がキャッチされ、業界内外を騒然とさせた。それが下の写真にあるRX-8のテスト車だ(撮影日はマツダがコースを専有していたことがわかっている)。
フロントガラスの奥に見える車内にはロールバーが張り巡らされ、テスト車特有のセンサー類も見える。
マツダ関係者にこの情報を当ててみると、2015年の東京モーターショーに出展されたロータリースポーツコンセプト「RX-VISION」の流れを汲む新型「RX-9」の先行開発車だということがわかった。
一昨年頃、ロータリーエンジンは「レンジエクステンダーの発電用エンジンとして開発を続ける」という方針が内外に伝えられた。
しかしその後、マツダ社内でその方向性に反発があり、また東京モーターショー等イベントでのアンケート調査で多くのファンがロータリースポーツ車を待ち望んでいるとわかったことなどもあって、ロータリースポーツの開発続行へとつながった。
では次期ロータリーエンジン搭載スポーツカーとはどんなものか。
搭載するパワートレーンは次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」の可能性が高い(2015年の東京モーターショー時点ではこのエンジンを開発しているとマツダは明言)。
ちなみに「RX-9」という車名については、マツダがすでに日本国内で商標登録の届け出を済ませている。
テスト車はフロントバンパーの形状がノーマルモデルから変更されており、エアダクトの形状に違いが見られる。それ以外はリア、サイド、ホイールなどノーマルモデルとの大きな差異はない。
注目されるパワートレーンのSKYACTIV-RはRX-8等と同じ2ローターながら、排気量は800cc×2と拡大。
これに過給システムを組み合わせたユニットと見られ、マツダ関係者から当サイト編集部員が聞いた話によると、「燃費よりもパフォーマンスを重視している」という。
400~450psのパワーを発揮するハイパワースポーツ仕様で、すでにエンジン単体の開発は完了しており、あとは車体に載せて各種性能チェックの段階だという(もちろんまだまだ時間はかかるが)。
上記写真にあるテスト車はまだまだ開発初期段階とみられるが、2019年の東京モーターショーにはコンセプトモデルがワールドプレミアされる。
では市販タイミングはいつ頃か。マツダ創立100周年を迎える2020年に合わせて開発が進めていると見る。
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