クルマはハッキングされるのか? 自動車のコンピュータ化の厄介な事情と懸念

クルマはハッキングされるのか? 自動車のコンピュータ化の厄介な事情と懸念

 クルマが年々進化しているが、ややもすればだんだんとコンピュータになっている実感すらある。ここにきてLANでネットワークと接続するという車種も登場している。

 しかしそうなると不安になるのがハッキングや、増えていくトラブルだろう。だんだんと複雑化していくネットワークとの関係、そしてこれからクルマはどのような進化を遂げるのか。ネットワークの基礎知識とともに振り返ります。

文:鈴木直也/写真:ベストカー編集部


■そもそもネットワークっていったいどうなっている!?

 最近あまり聞かれなくなったけど、“LAN”(ランと発音する)というネットワーク用語がある。正式にはLocal Area Network。オフィスや家庭など、限定したエリア内でコンピュータ同士をつなぐネットワークのことだ。

 いまではネットといえば携帯電話がメインだし、コンピュータをつなぐ小規模LANもほとんどワイヤレス化したから、LANと言われてもあまりピンとこないと思うけど、昔は“イーサネット”という規格のケーブルを引き回してコンピュータ同士を繋いでいた。これが典型的なLANといっていい。

 この、小さなLANという単位がたくさん集まってWAN(Wide Area Network)になり、さらにそれらを統合するのがインターネットというわけ。

 すでに生活に不可欠となったインターネットは、“ネットとネットをつなぐもの”という意味でネーミングされたのである。

すでにクルマはネットワークとの接点を持っている。もちろん利便性の向上は大きいのだが
すでにクルマはネットワークとの接点を持っている。もちろん利便性の向上は大きいが安全性はどうか(写真は実証実験中の日産の自動運転試験車のもの)

 そのインターネットのエレガントなところは、物理層は光ファイバーだったり銅線だったり電波だったりさまざまながら、その中を流れるデータの構造(通信プロトコルという)は“TCP/IP”という規格で統一されているシンプルさだ。

 言ってみれば、インターネットに繋がったコンピュータは世界中同じ言葉で会話しているというイメージ。このTCP/IPという規格さえ守っていれば、インターネットは誰がどこで接続しても同じように機能する。

 この基本的な仕組みを考えた人は本当にエライと思う(グーグル先生によると、TCP/IPは、ヴィントン・サーフ氏とロバート・カーン氏によって発明され、1974年5月のIEEE会報でその仕様が公開されたのだそうだ)。

次ページは : ■ハッキングの可能性もあるがクルマもネットとつながらなければ……

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!