自動運転といえば、トラックだって負けていない!
中でも運転自動化レベル2の部分自動運転が可能になり、日本のトラックとして初めて高度運転支援機能「アクティブ・ドライブ・アシスト」(ADA)を搭載した三菱ふそうの「スーパーグレート」は、そのほかにも数々の先進装備を搭載。いま注目の大型トラックだ。
公道でADAをはじめとする先進装備の作動や制御の状況を実際に試す機会を得たのでお伝えしよう。
文・写真/多賀まりお
※2020年12月発売「フルロード第39号」より
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■ダイムラー・トラックグループの強みを発揮し数々の先進装備を搭載
商用トラックで世界最大手のダイムラー・トラックを親会社に持つ三菱ふそうは、グループの強みを発揮し、ダイムラー、フレイトライナー(米国)とともに3社でADAを共同開発。スーパーグレートには2019年10月発表のモデルから、最新の先進装備とともに搭載された。
最新型となる2019年モデルは内外装の大きなデザイン変更はないが、フロントウインドウのカメラが大型化されて検知能力が向上。これに伴って新たに先進装備の充実が図られ、以下の新機能が備わった。
・アクティブ・ドライブ・アシスト(ADA)
全車速対応の車間距離維持機能を備えたアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)にレーンキープ機能を組み合わせた機構で、一定の条件下で車両の前後方向とともに横方向の動きを自動制御。ドライバーの負担軽減ひいては安全性を向上させる。
・レーン・デパーチャ・プロテクション(LDP=車線逸脱抑止機能)
トラックに義務化が進むレーン・デパーチャ・ウォーニング・システム(LDWS=車線逸脱警報装置)の進化版。LDWSは警報のみであったが、LDPは60km/h以上で走行中のドライバーの意図しない車線逸脱に対してステアリング操作に介入し、車両を車線内に戻す方向に制御する(ADAの非作動時でも作動)。
・アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5=衝突被害軽減ブレーキ)
障害物検知にレーダーとカメラを組み合わせて精度と機能を向上させた衝突被害軽減ブレーキ。従来のABA4と比べて、危険検知〜フル制動までの距離を短縮。
・インテリジェント・ヘッドライト・コントロール
ヘッドライトのハイ/ロービーム自動切換え機構。夜間のオートライトのハイビーム時に、対向車や先行車をカメラが検知してハイ/ローの自動切換えを行なう。
・トラフィック・サイン・レコグニション
路上の交通標識(制限速度/追越禁止/一時停止/大型貨物車等通行止といった規制標識)を認識してメーター部のディスプレイに表示する機能。標識通過後、約700mにわたってディスプレイに標識が保持される。
なお試乗車両は、上記の装備をフル装備したほか、AМT車にメーカーオプションとなるパワートレーン3D予測制御プラス(PPC)を搭載。
車両スペックは、パブコ製ドライウイングボディを架装した車両総重量25t級長尺カーゴの8×4駆動低床4軸車で、最高出力394PSを発揮する排気量10676ccの6R20(T2)型エンジンに、ОD式の12段AAМT「シフトパイロット」の組み合わせである。
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