2021年7月20日14時、オンライン会見にてトヨタモビリティ東京は、レクサス高輪店が国の車検代行整備における不正を行っていたと発表した。
トヨタ直営店のレクサス高輪でいったいどんな不正が行われたのか、本日実施されたトヨタの緊急会見の内容を解説する。
文/ベストカーweb編集部
写真/トヨタ
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■なぜトヨタ直営店で車検不正が行なわれたのか?
トヨタ自動車によると、2021年6月17日、国土交通省の監査が行われ、5つの検査項目に不正が行われたことが発覚したという。不正車検が行われた車両は全体の1/3(2019年6月~2021年6月)を占める565台で、不正を行った検査員は4名。
本来実施すべき検査項目のうち、
1/ヘッドライトの明るさ
2/フロントタイヤの角度
3/パーキングブレーキの効き
この3点について基準を満たす前に書き換えを行っていた。そして、以下2点については検査を実施していなかった。
4/排気ガスの成分
5/スピードメーターの精度(誤差)
不正車検が行われた原因について、トヨタモビリティ東京代表取締役社長関島誠一氏は「慢性的に不足しているエンジニアをはじめ、増加する仕事量に対して、人員不足による負荷が続いていたこと、車検整備の決められた時間内に整備を終わらせようとするエンジニアの焦りから不正が行われたのではないか」とコメント。
記者からの質疑応答にて、「過去にネッツ愛知の不正車検事件があったが、それと共通点はあるか?」という質問に対し、同席したトヨタ自動車国内販売事業本部本部長佐藤康彦氏は、
「ネッツトヨタ愛知では45分短時間車検という時間の制約があった。今回のレクサス高輪についても、車検整備には2時間という制約があり、いかに車検整備を早く済ませるかという時間の制約のなかで不正が生まれた、という共通点があった」
とコメントしている。
※ネッツトヨタ愛知不正車検事件:2020年12月に行われた国土交通省中部運輸局の抜き打ち監査で発覚した(2021年4月発表)ネッツトヨタ愛知の不正車検事件。法令違反の対象車は5158台。
国土交通省からの処分については、今後行われる見通しとのこと。社内処分については、人員増強や働く環境を改善し、お客様への対応を最優先に行った後に実施されるとのこと。
トヨタ直営店、しかも旗艦店であるレクサス高輪がこのような不正を行っていたことに驚かされたが、今後の改善の進捗状況を見守りたい。
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