2021年6月25日、パナソニックが保有していた約4000億円のテスラ株を売却した。パナソニックがテスラを見限ったということなのか、いったいこれは何を意味するのか?
テスラ株は2020年初めには100ドルを切っていたが、今年に入り900ドル前後まで上昇し、現在の時価総額は約6500億ドルとトヨタを大幅に上回っている。
テスラ株は今が売り時なのか? 最近のテスラの株価動向や今後の計画などを元外資系証券マンのアナリスト、柳澤隆志氏が解説する。
文/柳澤隆志
写真/テスラモーターズ
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■パナソニックによるテスラ株売却
パナソニックが6月25日に公表した有価証券報告書で、2021年3月末までにこれまで保有してきたテスラ株を全株、約4000億円で売却したことが明らかとなった。政策保有株式の見直しの一環という。もともとは2010年に約24億円を投資、それが11年で約170倍になったわけだ。なんともうらやましい。
2020年3月末時点での時価は約809億円、当時は株価が100ドル程度だったので今回の平均売却価格はざっくり500ドルという計算になる。
そこで売ったのがグッドトレードだったのか、アップル株10%を2300ドルで手放してしまったアップルの3人目の創業者ウェインのようになってしまうのか? テスラのこれまでとこれからを見ていこう。
■直近のテスラ株の推移
パナソニックのような長期投資家は大きく利益を上げたが、直近参入した投資家は株価の下落に苦しめられている。下のグラフは過去1年間のテスラの株価を示したものだ。昨年6月30日の価格を100として指数化し、比較のためにS&P500とナスダック総合(両者とも右軸参照)も付け加えた。
この記事執筆時点でテスラの株価は約680ドル。1年前と比べて3倍以上の価格で取引されている。同時期にS&P500やナスダックが1.4倍になっているのに対して大きくアウトパフォーム。
だが今年1月25日に高値900.13ドルを付けた後は下落トレンドに転じ、現在は2割強の下落。同時期のS&P500が11%のプラスとなっていることを考えると直近は大きくアンダーパフォームしていることになる。
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