2021年6月、大阪府警は、バイクでETC専用レーンを突破し、高速道路料金を支払わなかったとして、大阪府の会社員の容疑者(60)を、道路整備特別措置法、および、道路運送車両法違反の疑いで逮捕した。なんと、3年間で200回以上も繰り返していたという。
高速道路交通警察隊によると、男はバイクのナンバープレートの一部をテープで隠し、前の車に追従してETCレーンの開閉バーが下がる前に走り抜けていた。阪神高速道路会社から大阪府警に、悪質なバイクがいる、と連絡があったのが2021年2月、その4カ月後の逮捕となった。そのきっかけとなったのが、高速道路料金所の監視カメラだ。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:AdobeStock_ Takao
写真:写真AC、AdobeStock、NEXCO西日本、国土交通省
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姑息な不正は、一切通用しない
高速道路には、複数種の監視カメラが設置されている。警察が手配中の車両や盗難車両の捜査に使用する「Nシステム」、区間の通過時間を計測して目的地までの到着予想時刻などを調べる「Tシステム」、オービス(自動速度違反取締装置)などがあるが、高速道路の料金所にも監視カメラが設置されているのは、皆さんも見かけたことがあるだろう。
料金所に設置されている監視カメラの目的はもちろん、不正通行を監視するため。冒頭で紹介した違法行為のように、料金所のレーンを前走車にピタリと張り付いて突破したり、猛スピードで開閉バーをへし折って強行突破するなどの違法行為は、この監視カメラによって記録される。
監視カメラでは、車種やナンバーだけでなく、運転手の撮影のほか、ETC車載器情報と実際の車種・ナンバーが一致しているかも判別されている。そのため、冒頭で触れた悪質常習者のように、ナンバープレートを隠して前走車へ付いて抜けたり、ETC車載器を乗せ換えたりしても、警察が検挙するのに必要な情報は、すべて保存されており、逃げ切ることは不可能。
不正に通行料金を免れた通行者に対しては、通行料金の「2倍相当」の金額が請求され、納入期限までに支払われなかった場合、年10.75パーセントの割合で増額する延滞金も請求される。さらには、道路整備特別措置法第59条の規定により、30万円以下の罰則金も課される。不正通行は重大な違反行為。逃れようなどと考えない方がいい。
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