評価が定まっていて人気も上々。クルマ選びのプロがわざわざ薦めなくても選択肢の上位に入っている、誰が見ても分かりやすい『良い車』。
だが、目立たないけど良い車というのも、もちろんある。『真っ先には思い浮かばないかもしれないが、魅力は負けていないクルマたち』、そんなクロウト好みのいいクルマをプロが選んでいくのがこの企画。
対象は現行の日本車。今回は日本市場のメインカテゴリーのひとつ、コンパクトクラスのいいクルマを研究したい。
メインだけあって各社売れ筋を揃えており、だいたいが優等生的クルマ認定になるのが特徴。なので、このカテゴリーのみ特例として、裏のいいクルマ選びの対象に輸入車も加えることにした。
このクラスの輸入車は、価格的にも国産車と競合できるクルマが増えており、両者を分ける意味があまりないということもある。さて、どんなクルマが登場するか?
※本稿は2021年10月のものです
文/国沢光宏、渡辺陽一郎 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月26日号
■まずは人気の『優等生』コンパクトカーをご紹介
優等生コンパクトカーは現行国産車のみを対象として編集部が選出。各社の販売上位モデルがズラリと揃う。
そんななか、国沢氏も陽一郎氏も「優等生だけどお薦めできないクルマ」として挙げたのがルーミー/トール/ジャスティのコンパクトハイトワゴン。国沢氏はADAS系装備の弱さを指摘し、陽一郎氏は操縦性と乗り心地があまりよくないことを理由とした。
移動の道具として使うぶんには安くて申し分ないのだろうが、クルマ好きには物足りないということだろう。
もうひとつ、国沢氏はマツダ2もお薦めからは外している。「内容を考えると価格が高い。もう少し安いと薦められるんだけど」とのこと。ほかは両者ともにお薦めだ。
次はいよいよ『クロウト好み』の紹介だが、冒頭でも申し上げたとおり、このカテゴリーのみ輸入車も対象。あえて人気者の優等生を外すとどんなクルマが出てくるか。クロウト好みのいいクルマを紹介する。
■国沢光宏氏が選ぶクロウト好みのコンパクト
日本市場におけるコンパクトカーの王道はアクアだと思う。ベストセラーになっているヤリスの場合、ターゲット市場を欧州としているうえ、ヤリスクロスも含む。よって日本のコンパクトカーといえばアクアだ。
新型になってヤリスよりキャビンスペースが大幅に拡大したし、使い勝手もいい。販売台数だってジワジワ伸びてきた。来年早々からアクアの時代になるんじゃなかろうか。多くのライバルがアクアを目指すことになる。
本来ならフィットも日本代表のコンパクトカーになるハズだった。使い勝手や燃費、価格設定など、どれを取ってもカンペキなスペックを持つ。ただしデザインがプラス評価をすべて打ち消すほど残念である。ハイブリッドもモーターの存在感ほとんどなし。クルマ作りのアプローチで間違ったんだろう。
ここにきてノートも人気者の優等生的コンパクトカーと言っていいポジションになってきたように思う。販売も好調であります。
クロウト好みのコンパクトカー代表はスイフトとしたい。スイフトスポーツだけでなく、普通のモデルだって乗るといいクルマなのだけれど、スズキというブランドのイメージが薄い。薄すぎる!
コンパクトカーを購入しようと考えた際、多くの人はスイフトをショッピングリストに載せないようだ。
欧州だとモータースポーツなどで存在感を出そうとするが、日本市場のスズキは煙幕の向こう側にいるようで見えないのだった。
日本の場合、本来なら優等生にしたいクルマも「輸入車」というだけでクロウト好みのクルマになる傾向。
ルーテシアやC3、208などハンドル握ったら本当にいいクルマだと思う。この3モデル、私も真剣に購入を考えたことがあるほど。
これまたスイフトと同じく購入時のショッピングリストに出てこないということです。単なる「クロウト好み」というより「ウラ番長」に近い存在か?
表のクルマを買おうと考えているなら、ぜひともクロウト好みの「裏バン」にも試乗してほしい。
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