CXシリーズの大ヒットで、すっかりSUVメーカーのイメージが強くなったマツダだが、クルマ好きとしては、マツダといえば「RX-7」だ。
RX-7といえば、最終モデルであるFD型がとかく話題になりがちだが、RX-7のスポーツ性能を高め、ピュアスポーツカーとしての価値を新たにした、という意味で、RX-7の生涯でもっとも重要なモデルは、2代目サバンナRX-7(FC)と、筆者は考えている。
また、2代目サバンナRX-7は、その後のマツダのクルマづくりに影響を及ぼしたモデルでもあると、筆者は考えている。2代目サバンナRX-7がマツダに残したもの、それは「マツダならでは」の考え方だ。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:MAZDA
スポーツカー受難の時代に登場した初代RX-7
RX-7には、3代の歴史があり、初代(SA22C、通称「SA」)が1978年〜1985年、2代目(FC3S、通称「FC」)が1985年〜1992年、3代目(FD3S、通称FD)が1991年〜2003年まで販売されていた。
このうち、車名に「サバンナ」と付くのは初代と2代目。「サバンナ」とは、そもそもはRX-7とは別のモデルの車名であり、RX-7より前の1971年〜1978年まで販売されていたマツダのロータリースポーツクーペ・セダンのことだ。
初期型は10A型、翌年にはパワーアップした12A型ロータリーエンジンを搭載し、当時レースで無敗神話を誇っていたスカイラインGT-Rを打ち負かすなど、国内レースを中心に圧倒的な強さを発揮したモデルで、安価な価格で買えることもあって若者から絶大な支持を得ていた。
初代サバンナRX-7はその後継車で、開発テーマは「運転する楽しみの追求」。フロントミッドシップならではの、低くてシャープなフロントセクション、大胆なウェッジシェイプボディ、開放的なガラスハッチバックなど、見るだけでもワクワクするような洗練されたスタイリングで登場。
この初代サバンナRX-7が登場した70年代後半といえば、2度のオイルショックや厳しい排ガス規制など、スポーツカーにとっては受難の時代。日曜・祝日のガソリンスタンドが休業するなど、ガソリンを自由に使うことすらはばかられた時代だった。
各自動車メーカーのライバルスポーツカーが、排ガス規制に合わせて馬力を落とすなか、初代サバンナRX-7の12Aロータリーは、NAでありながら130ps(グロス値)を発生。軽快に吹け上がるエンジン特性に加えて、1tほどの車重と、50.7:49.3という前後重量配分による優れたハンドリング性能で、爽快な運転感覚を実現させ、ファンを熱狂させた。
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