北京五輪はFCV版コースターも登場!! トヨタの提供車と電動化戦略の行方

北京五輪はFCV版コースターも登場!! トヨタの提供車と電動化戦略の行方

 2022年2月4日、北京冬季オリンピックが開幕する。翌3月4日には北京冬季パラリンピックの開幕を迎える。会場は、中華人民共和国首都北京市と河北省張家口市となる。

 オリンピックのグローバルパートナーであるトヨタの中国現地法人が、開催期間中含む、選手、関係者の移動などのために2200台以上の車両の提供を行った。

 トヨタ広報部に確認したところ、提供車両のなかにはMIRAI、FCコースター、新開発のEV車、ハイブリット車が含まれているという。福祉車両としてコースター、ハイエース、シエナなどが提供された。

 さらに、省エネ・クリーンエネルギー車は乗用車では100%、車両全体では85.84%と、これまでの冬季オリンピックのなかで最も高い数値になっている。

 そこで本稿では、北京五輪への提供車両の概要、中国のNEV(ニュー・エナジー・ヴィークル)政策を解説しつつ、五輪による経済的影響はあるのかなどを考察する。

文/御堀直嗣、写真/TOYOTA

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トヨタ中国現地法人が北京五輪への提供実施の理由

車両が提供される燃料電池スタックを搭載したコースター
車両が提供される燃料電池スタックを搭載したコースター

 北京オリンピックが、2月4日に開幕する。続いて3月4日には、北京パラリンピックの開幕を迎える。

 トヨタは、2021年の東京オリンピック・パラリンピックに続いて、グローバルパートナーとして選手の移動などのために車両の提供を行う。燃料電池車(FCV)を核に、電動化車両をフルラインナップで提供することになるという。

 2200台以上に及ぶとされる提供車種の内訳は、FCVの4ドアセダンである新型MIRAIと、マイクロバスにMIRAIの燃料電池スタックを搭載したコースターだ。コースターの燃料電池車はまだなじみが薄く一般に市販されていないが、トヨタは日本赤十字熊本病院と、MIRAIの燃料電池スタックをコースターに用いた移動クリニックの実証実験に合意し、医療や災害時におけるFCVの有効性を確認しようとしている。トラックやバスへの応用など、MIRAIの成果がいろいろ適応できそうだ。

 ほかに、新開発の電気自動車(EV)や、ハイブリッド車(HV)があり、乗用車は100%省エネルギー・クリーンエネルギー車で、福祉車両を含めた全体では85%以上になるという。この比率は、冬季オリンピック史上最高になる。これら車両は、現地法人の一気トヨタや広気トヨタから提供されるのだろう。

 北京オリンピック・パラリンピックに関しては、新疆ウイグル自治区やチベット自治区における人権問題により、日本を含め欧米諸国では政府関係者の参加を控える動きがあるが、車両の提供は現地法人の一気トヨタや広気トヨタから行われるとみられ、グローバル企業としてのトヨタではないとの判断があるかもしれない。

 そのうえで、中国トヨタによる北京オリンピック・パラリンピックへの車両提供は、中国が進めるNEV(ニュー・エナジー・ヴィークル)普及の後押しにもなるだろう。

 トヨタは、昨2021年に中国市場で過去最大の販売台数1994.4万台という8.2%の成長を達成しており、NEVに該当する車種を世界的なスポーツ競技の場で人々の目に触れさせることは、さらなる販売台数の伸びと、脱二酸化炭素へ向けたトヨタの姿勢を示す好機となる期待がある。

次ページは : 中国政府が進めるNEV普及のカギは次世代型原子力発電か?

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