「リバイバル」とは、「一度すたれたものが、見直され、再びもてはやされること」とある。クルマ界においては、かつて販売されていたモデルが、当時のデザインを再現しながら、現代の技術で復活を遂げたモデルを「リバイバルカー」「リバイバルモデル」などと呼んでいる。
近年では、アルピーヌの復活があったり、ミニはもちろん、ビートル、フィアット500といったリバイバルカーが登場し、人気を博している。国産車に目を向ければ、かつてスバルが同社の「スバル360」を模した「R1」を発売して以降、過去の名車をオマージュしたモデルは発売されていない。
そこで今回は、スバルマニアとして知られる自動車ライターのマリオ高野氏に、「R1」を誕生させたスバルにリバイバルを期待するモデル、過去の名車のなかから現代の技術で作り直して発売して欲しい車種を挙げてもらった。はたしてマニアが期待するリバイバルカーとはなんなのか?
文/マリオ高野
写真/スバル
■WRCでも活躍したあのモデルを!
スバルマニアのひとりとして、いま最もリバイバルしてほしいのは「初代インプレッサWRX」だ。型式で「GC8」と呼ばれるモデルで、5ナンバー規格内の軽量コンパクトなボディにハイパワーターボエンジンを搭載。WRCなどモータースポーツにおいても無類の強さを発揮し、歴代スバル車のなかでも人気度の高さではナンバーワンを誇る。
そのため、近年中古車相場の高騰が著しい国産スポーツモデルと比べても、特に値上がりが激しく、伝説の限定車「22B」に関しては、4ケタ万円で売られていることも珍しくない。標準モデルでも後期型の程度が良好な物件に関しては、当時の新車価格の倍以上(基本「ASK」が多い)で流通しており、とても手が出せない状況だ。現在所有するオーナーも中古車相場の高騰に伴う盗難リスクの激増ぶりに怯え、消耗パーツの相次ぐ欠品や廃番に、先の見えない日々を過ごしている(筆者もそのひとり)。
この窮状を救うためにも、GC8をリバイバルモデルとしてなんとか復活させてほしい。リバイバルというか、本音としては価格が当時の倍になってもいいから、”そのまま”再生産してもらうというのが究極の理想だが(笑)、環境性能や安全性の面でやはり難しい。
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