■BEVならすべてオーケー!
そこで比較的実現が可能っぽいリバイバルプランとしては、やはりBEV(バッテリー電気自動車)化が理想的だろう。電気モーターの出力特性を「GC8時代のEJ20」にかぎりなく近い味付けとし(過給タイムラグの大きな高回転型ドッカンターボ)、不等長排気時代のドロドロ系ボクサーサウンドを電子音で再現(騒音規制クリアのため車内に聴かせるだけでよい)。
四輪の電動駆動制御も、現代のハイテクを駆使すれば「ビスカスLSD付きセンターデフ」あるいは「ドライバーズコントロールセンターデフ(DCCD)」の運転フィールを再現することは不可能ではないはず。挙動やフィーリングの再現にあたっては、グランツーリスモの技術を取り入れるのが効果的だ。ポリフォニー・デジタル社と共同開発し、アプライドやグレード、限定車ごとの違いもリアルに再現してほしい!
運転フィールの再現において最大のネックになりそうなのは、「TY75」と呼ばれる5速マニュアルトランスミッションをどうするかだ。MTのシフトフィールの再現はグランツーリスモでもまだできていないし、BEVで5速MTの操作フィールを電子的に再現するのはかなり難しいだろう。最悪、ミッションは妥協して疑似的なものとし、変速操作はパドルシフトでもいい。WRCのグループAでもパドルシフトが採用されたので、古参のマニアも納得できなくもないはずだ。
さらに現状の技術でネックとなるのは、やはりサイズと重量。GC8の魅力である5ナンバー以下のボディサイズと1200kg前後の軽い車重をBEVで実現するのは困難を極めそうだが、将来的に今の数倍軽量コンパクトな駆動用バッテリーが生み出されれば不可能ではなくなると期待している。衝突安全性確保のためなら、若干のボディ拡幅はやむを得ないところか。
BEVならスバル車の宿命でもあるフロントの重さを劇的に解消し、重量配分を最適化してオリジナルのGC8を凌駕するハンドリングマシンに仕立てることも夢ではない。さらに、BEV化すれば、直しても直してもすぐに再発を繰り返すエンジンオイルやパワステフルードの漏れなど、GC8昔年の難点もことごとく解消されるので、夢のようである。まさに究極の理想のGC8として生まれ変わることができるはずだ。運転支援システムのアイサイトも当然、装備できるだろう。
■マニアが歓喜する昭和の名車たち
あるいは、クルマそのものではなく、今もスバルファンが愛してやまない「EJ20エンジン」のリバイバルはどうだろうか。水素エンジンやバイオマス由来の新世代燃料などで内燃機関ユニットの将来性が広がるなら、惜しまれまくって退役したEJ20を新世代燃料に対応させ、次世代または既存の現行モデルに搭載するのだ。
さらに、別の車種のリバイバルモデルを期待するなら、FF小型セダン&ワゴンの「スバル1000」、同1000のプラットフォームを継承した「スバル1300G」、レガシィの祖となる「レオーネ」などを挙げたい。どれがリバイバルされても、スバルファンなら涙を流して喜ぶに違いない。大成功するはずの(?)GC8のBEVモデル化を皮切りに、昭和のスバル車たちのリバイバルモデルも続々と市販化してほしい。
初代WRX(GC8)の後継モデルは3世代続いているが、やはりどの世代も中古車は軒並み高騰中。発売が期待される新型が登場しても500万円前後の高額車になるのは確実で、すべてのWRXは高嶺の花になってしまった。GC8は昔を懐かしむ中高年はもちろん、ゲームや漫画、ネット動画などで存在を知った若者まで幅広く支持されているので、20年後あたりには何とか実現してほしいと願う。それまで長生きをせねば。
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