「ほぼ同じ」から「顔も激変」まで超多彩!! 兄弟車の意外な違いと明確な狙い


 近年は販売店の統合が進み、兄弟車(姉妹車)の存在意義がすっかり薄れてしまっているが、ユーザーにもメーカーにもメリットをもたらす兄弟車はいまだ健在だ。そこで代表的な兄弟車のタイプをクローズアップしながら、それぞれにどういった違いがあるのかを深堀りしてみよう。

文/フォッケウルフ
写真/トヨタ、SUBARU、ダイハツ、日産、三菱、スズキ、マツダ

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■兄弟車が存在する意義とは?

 自動車における兄弟関係というのは人間のそれとは異なり、『○○○は×××の兄弟車で~』と紹介されるクルマには、『A社とB社が共同開発』とか、『A社がB社にOEM供給』といったように、さまざまなタイプが存在する。さらに近年は「プラットフォームの共通化」が兄弟車と定義されるケースもある。いずれの場合も、開発費用を抑えながら複数の商品を生み出せることが最たるメリットで、異なるメーカーや販売店で売ることによってシェアを拡大できるマーケティング手法として確立されている。

 基本的にはメカニズムやパーツを共有しているが、外観の意匠で差別化が図られ、異なる名称をつけて販売されているのはどの兄弟車も同じ。同一メーカーが販売する兄弟車やOEM車については、見た目と車名以外にほとんど差異はない。クルマに疎い人が見たら「あれはパクリ?」と、誤解されそうなくらい近似している。

スバルとトヨタの共同開発されたピュアEVのスバル・ソルテラ
ソルテラの兄弟車となるトヨタbZ4Xはトヨタ初の本格的ピュアEVだ

 一方、複数メーカー間で「共同開発」された場合は、もう少し違いがはっきりとしている。たとえばトヨタのGR86とスバルBRZのように、開発過程においてメーカーそれぞれの思想や狙いを反映することで、異なる運転感覚に仕上げたようなクルマもある。効率化を推進するための協業なのに、あえて差異を設けることには矛盾を覚えるが、それをすることで生じた双方の“違い”は、トヨタ好き、スバル好き双方の琴線に触れる要素になっているのは間違いない。

■OEM車はほとんど違いがない?

 兄弟車の違いを見分けることは、コアなクルマ好きにとっては至極簡単なことだが、自分のクルマ以外に興味がない人や、そもそもクルマに明るくない人にとっては、サイゼリヤのキッズメニューにある間違い探しに匹敵するほど(?)難しいかもしれない。

 この“違い探し”で難易度低めなのが、すでに完成しているクルマを他社に供給するOEM車だ。OEM車における相違点は内外装ともにメーカーのエンブレムや車名ロゴ程度にとどまる。車種によっては、元のクルマにないボディカラーを設定するケースもあるが、見た目の印象が明らかに変わるような造形の違いはない。むしろOEM車でそれをやってしまうと、開発コストをかけずに車種ラインナップを増やす、という目的に矛盾が生じてしまうし、仮に違いを明確にしようとデザインを大幅に変えたとしたら、それは車両価格に反映されてユーザーメリットも薄れてしまう。

 概して供給先のメーカーは、自社で開発していないタイプを補完するためにOEM供給を受けているので、販売も自社製品に比べれば消極的。特に軽自動車のOEM車はレアな存在で、街なかで見かける頻度は極めて少ない。

ルーミーのベース車でありながら街で見かけることはあまりないダイハツ・トール
トヨタ・ルーミーは、同社のタンクが併合されたことで売れに売れている

 しかし、OEM車でも例外としてトヨタのルーミーやライズのように、供給元のクルマよりも売れている車種はある。供給先であるトヨタ車のほうが売れている理由は、はっきり言ってしまえば販売力の差によるものだ。見た目の違いは他のOEM車と同じくエンブレムと車名ロゴだけだから、ルーミー、ライズのように売れ筋になれる要素は多分に持ち合わせているので、兄弟を競合させて商談を進め、条件がいいほうを買うという手も使える。

 余談だが、ダイハツ・トールとトヨタ・ルーミーの外観意匠は共通だから、トヨタ車のカスタムブランドである「モデリスタ」のエアロをトールに装着することが可能。事実、トールのアクセサリーカタログにはモデリスタのアイテム群が掲載されている。

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