519psの獰猛さに快適さ(!?)が絶妙のバランス!!! 400Rベースの怪物インパル537S試乗

519psの獰猛さに快適さ(!?)が絶妙のバランス!!! 400Rベースの怪物インパル537S試乗

「日本一速い男」こと元レーシングドライバー 星野一義が現役時代に立ち上げた「IMPUL」。

 これまでにさまざまなコンプリートモデル、チューニング&ドレスアップパーツをリリースしてきたIMPULから、スカイライン400Rをベースとした「インパル537S」が登場した。

 星野氏と同じく元レーシングドライバー、そして星野氏の背中を追いかけ戦った松田秀士氏が、IMPULが生み出した怪物・537Sを試乗レポート!

※本稿は2022年2月のものです
文/松田秀士、写真/ベストカー編集部、撮影/佐藤正勝
初出:『ベストカー』2022年3月26日号

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■松田氏も思わず笑みがこぼれる極上の仕上げ

オーリンズのダンパーとスプリングをインパルで独自チューニング。そのセッティングが絶妙で、20インチタイヤを装着しているとは思えない快適な乗り心地。ゴツゴツ感、路面からのイヤな突き上げなど皆無というレベル
オーリンズのダンパーとスプリングをインパルで独自チューニング。そのセッティングが絶妙で、20インチタイヤを装着しているとは思えない快適な乗り心地。ゴツゴツ感、路面からのイヤな突き上げなど皆無というレベル

 古い話で恐縮だが、筆者は1980年代後半全日本F3000選手権を戦っていた。星野vs中嶋の時代。富士や鈴鹿は5万人前後の観客が押し寄せたモータースポーツ盛況時代。

 筆者は星野一義選手の背中を追っていた、というのは大袈裟だが憧れのドライバーだった。

 星野氏が起こしたIMPULはこれまでにさまざまなコンプリートモデル、チューニング&ドレスアップパーツをリリースし、現在進行形だ。

 今回はIMPUL537Sを試乗するためIMPULに乗り込み、超久々にお会いした星野氏の温かいお出迎えを受けテンションはアゲアゲ!

 では、早速IMPUL537Sに試乗。

 537Sのベースはスカイライン400Rだ。スカイライン史上初となる400psを超えた405ps。新世代VR型ユニットは3L、V6ツインターボなのはご存知のとおり。

 これをなんとIMPULではVR型エンジンの潜在能力に着目し、ロムチューンを含めたブーストアップ+専用エグゾーストシステム(IMPULブラストマフラー)により519ps/79.2kgmにアップ! その実力やいかに!?

 もちろんエンジンだけではない、エアロやサスペンションもチェックしたい。

 特徴的なのはフロントフェイス。

 逆台形のエアインテークからエアをサイドに流しながらダウンフォースを得るようなデザイン。リアはトランクエンドに大人しめのガーニーフラップを追加。そしてディフューザー回りはF1マシンのようなフィニッシュだ。

 その両サイドにはステンレス製だがチタンの焼けたフィニッシュを演出するブラストマフラーがデュアルで顔を出す。

 ほかにもエアロの技術を取り入れエア抜きを備えたサイドバイザーやサイドステップを装備する。

 ローダウンされた足回りはオーリンズのスプリング&ダンパーを専用セッティング。

 そして特注の15スポーク・エンケイ製アルミホイールは、同じブラックでもフラット面とそのほかの色合いを変えた品のあるデザインだ。

自立直進性に優れているので、走行スピードに関係なく修正舵が必要ないほどスタビリティが高く、楽しく走ることができる。それから室内に入り込んでくるエキゾーストノートも心地よく、その気にさせてくれる
自立直進性に優れているので、走行スピードに関係なく修正舵が必要ないほどスタビリティが高く、楽しく走ることができる。それから室内に入り込んでくるエキゾーストノートも心地よく、その気にさせてくれる

 では走らせよう。事前に取締役で昨年GTドライバーを引退した星野一樹氏より537Sのレクチャーを受ける。

 ACCの速度設定ボタンを長押しすると700rpmほどを指していたタコメーターの針が1000rpmに固定され、そこからアップさせるごとに2000、3000、4000と3段階にブーストアップ。MAXの4000が1.5キロのブーストで519psになるとのこと。

 トラコンをOFFにすると物凄くホイールスピンするので気を付けてください、と言われるとやってみたくなるのがレーシングドライバー!

 でやってみると、40km/hくらいからアクセルを多めに踏み込めば3000rpmを超えたあたりから強烈なトルクが立ち上がり、瞬時にリアがホイールスピン!

 ちょっとクセになりそう。もうほかの低いブーストは要らないくらい。マジ、凄いっす。

 驚くのは20インチ超扁平タイヤを履くその乗り心地。

 一義氏は乗り心地をものすごく重視するそうで、驚くほどラグジュアリーで静粛性も高い。そのうえ自立直進性も高くコーナーでは速度に関係なくステア修正を必要としない一発でピタッと決まる。

 辛口の評価も、と考えていたが、ぐうの根も出ないほど魅力的なクルマでした。

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