電車からバスで目的地に向かう際にふと周りを見てみてみると新たな発見があるものだ。ここは新宿の交通公園。昔懐かしい富士重工製の都営バスが鎮座し車内に入ることも可能だ。
文/写真:小野寺利右
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
葛飾区新宿
新宿とはいっても新宿区の新宿ではない。最寄り駅は葛飾区の金町駅だ。「にいじゅく」と読む。金町駅前から都営バス草39系統の浅草寿町行きに乗車し15分くらいの「亀有警察署前」停留所で下車。近くに葛飾区立の新宿交通公園がある。入園は無料だ。
停留所から歩いて2~ 3分で目的地に到着。土休日にはミニSL等を運転しているのが目玉で、公園となので子供たちの遊び場も多くある。そもそも交通公園は子供に交通教育をする場所としての機能もある。
江東営業所のZ281
入口を入って砂場の方に目をやると都営バスらしきものがいる。これはまさに都営バス1代前の塗色でナックルカラーと呼ばれていたものだ。中にも入れるようになっており、方向幕や広告などはさすがに撤去されてはいたが、運転席は機器類などはほぼそのまま残されていて座ることもできる。
このバスは元都営バス江東営業所に配属されていたZ281だ。銘板はそのまま残っている。日産ディーゼル・富士重工製のバスだ。このタイプのバスはすでに全車退役済みであり、この塗色も今はない。それゆえに懐かしさを覚えるマニアの方もいるだろう。
運転席に座り、ハンドルを握りバス運転の真似事をするのは子供たちには楽しいだろう。昔は多くの公園に退役したSLが置いてあったが、運転席に座り加減弁を押したり引いたりした覚えがある方も多いのではないだろうか。気分は同じだろう。
交通教育ができる公園
訪れたのは平日午後だったが子供達が嬉々として座って遊んでいて概ね好評のようだ。前述のとおり交通公園なので自動車教習所のような信号機や横断歩道などもある。
このような場所がバス停数分のところにあるとは地元の方には知られているのだろうが、意外な発見だった。日産ディーゼル・富士重工製の懐かしい都営バスを見るために、訪れてみてはいかがだろうか。
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