もはや世界的にライトウェイトオープンスポーツの代名詞といえるのが「マツダロードスター」だ。1989年に初代がデビューしてからモデルチェンジを続け、現行のND型で4代目となる。
そのNDがデビューして7年となるが、2022年1月にスポーティ性をさらに高めた新グレード、990Sが追加されている。
熟成と進化を続けるロードスターND型のおすすめグレードを、自らもNDを所有する伊藤梓さんに語ってもらった!
文/伊藤 梓、写真/MAZDA、ベストカー編集部
■ロードスターに追加された「990S」はオススメできるのか?
クルマを取り巻く環境がどんどん変化していて、安全装備や電動化などによってクルマが重くならざるを得ない今のご時世。そんな中でも、マツダロードスターは、1トンを切る車重を実現している奇跡のライトウェイトスポーツカーです。
私自身も現行モデルのNDロードスターに約7年乗っていますが、昨年末の商品改良を受けて、ロードスターはさらに魅力的なモデルになった様子。
その中でも、新たに追加された990Sという最軽量モデルが人気を博しています。今は、990Sに注目が集まっていますが、「他のグレードにも魅力的なモデルはあるのでは?」ということで、今回はロードスターの中でも満足度の高い超コスパモデルはどれなのか探ってみようと思います!
まずは、大人気の990Sについて。私自身NDのロードスターオーナーで初期のNR-Aを所有しているのですが、この990Sに乗ってみてドライビングの気持ちよさに舌を巻きました!
とにかく走り出しから明確に軽さを感じ、ヒラヒラと道を駆けて行く様はまさに「Theロードスター」。少し運転しただけで、「これこそロードスターの走りを極めたモデルだ!」と確信しました。
ただ、990SはRAYS製ホイールやブレンボのブレーキ、専用チューニングされた足回りやECUなどが搭載されていることもあって、価格は289万3000円とやや割高。
たとえば、すでにロードスターの魅力を知っていて「もっとも最軽量の990Sでよりロードスターの走りをじっくり味わいたい」という方には「どうぞどうぞ!」と勧められるのですが、「はじめてロードスターに乗ります」「免許取りたてです」というような方にいきなり勧めるのは危険なモデルかもしれないと感じました。
なぜなら、990Sには、最高の足回りが与えられている代わりに、純正のナビゲーションシステムやApple CarPlay/Android Auto、もちろんシートヒーターなどの快適装備などが付いていません。
さらにオプションで後付けもできないのです。本当に走りだけに特化しているモデルなので、私のようなロードスターオタクが「990Sが一番良いよ! これしかない、最高!」と押し付けて勧めてしまうと、普通のクルマしか乗ったことがない方は「なにこれ、何もついてないじゃん……」となってしまう可能性もあるなと思ったのです。
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