ファミリーカーとして、また大人数でのドライブやアウトドアなど、広い用途に応えるミニバン。
しかし一口にミニバンといっても様々で、たとえばサイズなら、全長4400mm以下の「コンパクトミニバン」、全長4700mm以下、排気量2000cc以下、全幅1700mm以下、全高2000mm以下の「5ナンバーサイズ」、5ナンバーサイズの基準を一つでもオーバーする車種の「3ナンバーサイズ」の3種類に分類することができる。
ここでは、5ナンバーサイズのミニバンのなかでも3列シートを擁するトヨタ ノアハイブリッド、日産 セレナe-POWER、ホンダ ステップワゴンスパーダハイブリッドの3車種からならどれを選ぶか? というお題で、自動車ジャーナリストであり、また自らもステップワゴンを駆る国沢光宏氏に採点をお願いした。
※本稿は2018年3月のものです
文:国沢光宏、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2018年4月26日号
■人気ではノア3兄弟かもしれないが
販売台数からすれば圧倒的にノア3兄弟の圧勝で昨年は18万8711台。2位がセレナ8万4433台。3位ステップワゴン4万6457台。販売拠点の多いノア3兄弟優勢はしかたないけどステップワゴンの人気の低さに驚く。
本当にダメなクルマかといえば、そんなことない。私はステップワゴンに乗っているが、走りの味などこのクラスナンバーワンだと思っている。ということで販売台数に表われない評価をしたい。
まずノア3兄弟が売れている理由だけれど、こらもうトヨタであるという安心感のほか、ハイブリッド車をラインアップしていること、デザインにあると考える。今や少し御予算に余裕ある人なら、クルマ選びの時に「ハイブリッド車である」ということが大きなファクターになっている。
特に5ナンバーフルサイズミニバンを買う際、スポンサーはお爺さん世代というケースも少なくない。今までフルハイブリッドをラインアップするのはノア3兄弟だけ。
デザインもヴォクシーに代表されるノア3兄弟が存在感でリードする。対照的なのはステップワゴン。少し距離を置いてクルマを見ると、軽のようでまったく押し出し感なし。自分でも乗っているステップワゴンながらデザインのみ「アカンな!」といつも思う。
セレナの場合、得点も減点もなし。このクラスのミニバンとして平均的デザインと言ってよかろう。ちなみにインテリアの使い勝手はリアのドアから乗り降りできるステップワゴンがナンバーワン。
■最新の実力やいかに?
ハイブリッドは実力伯仲。アクセルレスポンスでノア3兄弟劣勢だ。気になる自動ブレーキも、コスト重視のレーザー+カメラ使うノア3兄弟が厳しい。レーダー+カメラのステップワゴンは最近の平均レベル。モービルアイの新世代カメラ使うセレナの圧勝となる。
以上を総合すると、買うならセレナe-POWERを推奨しておく。自動ブレーキ性能の高さに加え、実用燃費のよさと滑らかな走りが高い評価に繋がっている。
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