東京オリンピックの開催を受けて、記念ナンバーが発行されたのは数年前のこと。最大のトピックは軽自動車に待望(?)の白ナンバーが選べる点にあった。これは瞬く間に人気となり、多くのユーザーが装着するほどであったが、この取り組みも終了を迎えてしまったのだ。
って、そもそもなんで軽自動車のナンバープレートは黄色なのか!? そのワケとは。
文/永田恵一、写真/ベストカーWEB編集部、AdobeStock、国土交通省
■軽オーナーはやっぱり憧れだった!? 白ナンバー装着率がハンパなかった
2017年4月から2019年11月まで交付されたラグビーワールドカップ特別仕様ナンバー。そして2017年10月から2021年9月まで交付された東京2020オリンピック&パラリンピック特別仕様ナンバーは、本来黄色いナンバープレートが付く軽自動車も「登録車と同じ白いナンバープレートが付く」ということで、軽自動車に交付された割合が圧倒的に多かった。
特別仕様ナンバーはともに交付は終了しているが、今になると浮かぶ疑問が「そもそも軽自動車のナンバープレートはなぜ黄色なのか」ということである。というわけでここでは、軽自動車のナンバープレートの移り変わりを振り返りながら、軽自動車のナンバープレートが黄色となる理由を考えてみた。
■昔は軽も白ナンバー!? ナンバーの大きさで差別化していた
1974年12月31日までに届け出された軽自動車のナンバープレートは登録車と同じ白で、当時のナンバープレートによる登録車と軽自動車の判別は登録車/中板(上下165mm×横330mm)、軽自動車/小板(上限125mm×横230mm)というナンバープレートの大きさによって行われていた。
ちなみに小板のナンバープレートは現在も125cc以上のバイクに使われているモノ。現在の軽自動車も後ろのナンバープレートの封印がないことも含め、小板ナンバーからも軽自動車がバイクに近い扱いという名残のようなところを感じる。
また、1974年12月31日までに届け出された軽自動車のナンバープレートを再発行や名義変更する際には希望ナンバーにこそ対応していないが、今も小板が交付されるのだ。
■軽=黄色は47年前から!! そのワケは登録者との区別のためだった
軽自動車のナンバープレートが登録車と同じ中板サイズで黄色いものとなるのは1975年1月1日からである。これは軽自動車の規格が当時の排気量360cc、全長3000mm×全幅1300mm×全高2000mmから、同550cc、3200mm×1400mm×2000mmに拡大される1年前のことであった。
軽自動車のナンバープレートが黄色となったのは、軽自動車も高速道路の利用が増えたことに伴う2つの理由から「登録車と軽自動車の判別を明確にするため」と言われている。
1つ目は当時の高速道路の制限速度が登録車100km/hに対し、軽自動車80km/hだったこと。2つ目は今も登録車に対し2割安となる高速料金が当時は有人料金所での支払いのみだったためである。
そのため、軽自動車を取り巻く過去と近年の背景の違いを挙げると、まず高速道路の制限速度は軽自動車の規格が1998年10月から現行の排気量660cc(排気量は1990年から)、全長3400mm×全幅1480mm×全高2000mmに拡大された。
衝突安全性の基準も登録車と同じものになったこともあり、2000年10月から登録車同様に100km/hとなった。
また高速料金の支払いも近年はほとんどがETCだ。このあたりを総合すると、近年は高速道路において制限速度と高速料金で登録車と軽自動車で区別する意味が薄れたのもあり、ラグビーワールドカップとオリンピック&パラリンピック特別仕様という限定的な形にせよ、軽自動車の白ナンバーが実現したのだろう。
なお、軽自動車のナンバープレートは2005年4月から地名のあとの分類番号が3桁となったので、自家用であれば数字4桁部分の希望ナンバーも取得が可能となっている。
ただ、ETCを使う高速道路の料金支払いはいいとして、有人料金所となる有料道路での料金支払いはちょっと注意した方がいい。
というのも、小板+白ナンバーの古い軽自動車、ラグビーワールドカップとオリンピック&パラリンピック特別仕様で白いナンバーの軽自動車ともに、ナンバープレートが白いため登録車と勘違いされ、登録車の料金を請求されることが少なからずあるようなのだ。
そういった場合には軽自動車であることをシッカリ伝えるようにしよう。
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