良い車だからこそ知っておきたい! 人気車6選の欠点

良い車だからこそ知っておきたい! 人気車6選の欠点

 車にはさまざまな評価軸がある。なかでも「売れているかどうか」は、ユーザーからの支持を示す極めて重要な指標だ。

 長年、日本車トップクラスの売れゆきを維持するプリウスや近年、人気を集めている日産のノートe-POWERなどは、まさに売れている=多くのユーザーに支持されているモデルのひとつ。

 しかし、多くのユーザーが買っているからこそ、そのモデルの短所も押さえておきたい。本稿では、いま特に人気の高い6台の国産車に関して、購入前に知っておいてほしいポイントを、2名のジャーナリストの視点から紹介する。

文:渡辺陽一郎、片岡英明
写真:編集部
ベストカー 2018年9月26日号


プリウスは後発車と比べて未成熟に感じる部分も

■トヨタ プリウス:8037台(2018年1-7月平均)

プリウス(2016年12月発売)/言わずと知れたベストセラーHV。現行型はプラットフォームを一新し、従来型比で基本性能は大きく進化

◆「熟成不足を感じさせる作り。後方視界も悪し」

 TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の手法に沿った新しいプラットフォームを使うが、危険回避時には後輪の接地性が不十分だ。後から登場したC-HRやカローラスポーツに比べると未成熟に思える。

 サイドウィンドウの下端を後ろへ持ち上げたから、後方視界が悪い。後席は腰が落ち込み、頭上の空間も狭めだ。内装も上質とはいい難い。(渡辺陽一郎)

評価:★★★★☆

◆「加速時のエンジン音が×。運動性能もイマイチ」

 17インチタイヤを履くツーリングセレクションは軽快なハンドリングだが、ファミリー向けグレードは今一歩の運動性能。ハイブリッド車特有のラバーバンドフィールも残っている。

 動力性能も今一歩で、もう少し余裕が欲しい。加速時にはエンジン音が耳につく。パーキングブレーキが足踏み式という点も古臭さを感じる。(片岡英明)

評価:★★★★☆

セレナは床の高さと価格設定に注意

■日産 セレナ:9288台(2018年1-7月平均)

セレナ(2016年8月発売)/同一車線運転支援機能「プロパイロット」の搭載が話題に。2018年3月にe-POWERを追加設定

◆「床が高く高重心なことが安定性などに悪影響を…」

 ヴォクシーやステップワゴンに比べて床が90㎜ほど高く、乗降性が不満だ。高重心だから安定性にも悪影響を与え、操舵に対する反応が鈍く感じる。峠道では旋回軌跡を拡大させやすい。

 この鈍さはプロパイロットの操舵制御にも影響しており、直進時でも微調節を繰り返してハンドルが小刻みに左右に動く。(渡辺陽一郎)

評価:★★★★☆

◆「希望装備を追加すると割高になる価格設定」

 e-POWERを得て、さらに魅力を増したが、同一車線自動運転技術のプロパイロットは上級グレード、しかもオプション設定だ。

 希望の装備を追加すると、かなり割高になる。また、スマートマルチセンターシートの設定もないからシートアレンジの自由度はガソリン車におよばない。高速道路では燃費も今一歩だ。(片岡英明)

評価:★★★★☆

タンク/ルーミーは非力さが目立つ

■トヨタ タンク/ルーミー:1万3933台(2018年1-7月平均)

タンク/ルーミー(2016年11月発売)/ダイハツ版のトールの姉妹車で開発もダイハツが主導するトールワゴン。競合車のスズキ ソリオを上回るヒット車に成長した

◆「エンジンはパワー不足。安定性と乗り心地も不満」

 2014年にはダイハツとスズキの競争が激化して、軽自動車の販売比率が40%に達した。小型/普通車が中心のトヨタは危機感を抱き、売れ筋路線のルーミー&タンクをダイハツに約2年間で開発させた。

 だが、安定性と乗り心地は不満で、1Lエンジンはパワー不足だ。ターボはノイズが大きく、作りが粗い印象だ。(渡辺陽一郎)

評価/★★☆☆☆

◆「後席の乗り心地悪く、エンジンは非力」

 キャビンは広いがシートアレンジにこだわったこともあり、後席のシートは小ぶりで、座面も短い。厚みもないからロングドライブでは座り心地が悪い。

 1Lの3気筒エンジンは非力だし、ターボは振動も大きめ。グレード構成も偏っていて、ターボはFFだけになるなど選択肢が少ない。先進安全装備も軽自動車レベル。(片岡英明)

評価:★★★☆☆

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