平成の始まりとともに改名、カラーも一新!! 新時代へまっしぐらの「くしろバス」

平成の始まりとともに改名、カラーも一新!! 新時代へまっしぐらの「くしろバス」

 釧路市内路線を中心にバス事業を展開するくしろバス。1989(平成元)年、まさに平成の始まりと共に東邦交通から改名して新たな時代をスタートさせた。

 明るいイエローを基調としたカラーリングで新生くしろバスをアピールし、長距離バス事業も開始した。今回はくしろバスの平成初期の頃を紹介しよう。

(記事の内容は、2022年3月現在のものです)
執筆・写真/石鎚 翼
※2022年3月発売《バスマガジンvol.112》『平成初期のバスを振り返る』より

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■カラーリングも一新、東邦交通時代からの旧型車を取替え

いすゞ BU10。前身の東邦交通時代、標準車両として多く投入された車両で、平成初期までは主力の一角を占めた。画像は東邦交通時代の塗装の車両で、くしろバス発足後は塗装変更が進んだ
いすゞ BU10。前身の東邦交通時代、標準車両として多く投入された車両で、平成初期までは主力の一角を占めた。画像は東邦交通時代の塗装の車両で、くしろバス発足後は塗装変更が進んだ

 釧路市内には現在、くしろバスと阿寒バスが主に路線バス事業を展開している。

 くしろバスは主に釧路市内と厚岸・白糠地区、阿寒バスは郊外線を主体に弟子屈町や美幌町、阿寒町など道東北部にかけて広く路線バス網を持っている。

 阿寒バスは元々くしろバスの前身である東邦交通が分社化したもので、現在もおおむねエリアによる住み分けができている。また、厚岸地区ではかつて国鉄バス・JR北海道もバス事業を展開していたが1997(平成9)年に撤退し、厚岸地区の路線はくしろバスに引き継がれた。

 くしろバスの車両は東邦交通時代からおもに、一般路線バス用にはいすゞ製、貸切バスには三菱製が採用され、平成初期の市内路線はいすゞBU10型が主力として使用されていた。これらの老朽取替・冷房化には首都圏・関西圏からの中古車が充てられ、多くの車両が転入した。

 その後現在まで大型一般路線バス車両は、中古車両が中心の陣容が続いている。これらもおもにいすゞ製が採用されたが、三菱製の転入も見られた。

 また、1990年代末期には路線バスの標準塗装が改められ、この地域の象徴ともいえる鶴をあしらったデザインが採用された。一方、自社発注の大型一般路線車は東邦交通時代に導入されたK-CLM500以降、しばらく導入が中断された。

いすゞ K-CLM500。BU系の後継に当たるいすゞ製一般路線車で、予室式エンジンを搭載するCLM系のリーフサス車が採用された。画像は当時のくしろバス標準カラーをまとった車両
いすゞ K-CLM500。BU系の後継に当たるいすゞ製一般路線車で、予室式エンジンを搭載するCLM系のリーフサス車が採用された。画像は当時のくしろバス標準カラーをまとった車両

 貸切バスは、道東地区の貸切バス事業者10社(2022年2月現在)からなる東北海道貸切バス事業協同組合(ひがし北海道観光バス手配センター)に加盟しており、“BUS CENTER”と大書された同組合の共通カラー車も導入される。

 1992(平成4)年には初の長距離夜行路線となる「スターライト釧路」の運行に参入(それまでは北海道中央バスの単独運行)し、3列シート、トイレ付スーパーハイデッカーの新車が投入された。

 ほかに都市間長距離バスとしては1988(昭和63)年開設の釧路・根室間「ねむろ号」、1989(平成元)年の釧路・帯広間「すずらん号」が挙げられるが、後者は2011(平成23)年に廃止された。

「スターライト釧路」は好評裡に推移し、現在は昼行4往復、夜行1往復が運行され(新型コロナウィルス感染症拡大に伴う運休便を含む)、昼行便については高速道路の整備・延伸に伴い、大幅な所要時間短縮を実現している。

 平成とともに始まった新生くしろバス。装いも一新し、首都圏から転入した車両によって冷房化も進められた。その後も客貨混載事業への挑戦や、電子マネー決済の導入などの取組みが実施されており、引き続き釧路市民の足として活躍することだろう。

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