2022年の真夏、ターボの特集。電動化の波がジワジワときているからこそ、内燃機関が生み出すターボの魅力に迫りたい。
以前のターボは「速さ」をアピールするための特別な道具だったが、現在では燃費とパワーを両立することができ、また、マイルドハイブリッドとの相性もよいことから、いわば「当たり前」のパーツになっている部分はある。
だが、それでもあの背中を押してくるような加速は、やはり格別だ。ターボの魅力、今こそ再確認したい!
※本稿は2022年7月のものです。※GT-RとNSXは生産終了ということで選出の対象外としました。
文/国沢光宏、片岡英明、斎藤 聡、写真/ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年8月10日号
■国沢光宏推しのターボモデル5台
●国沢光宏推しのターボモデル5台
・トヨタ GRヤリス(1.6Lターボ/価格:330万〜456万円)
・日産 スカイライン400R(3Lツインターボ/価格:562万5400円)
・スズキ スイフトスポーツ(1.4Lターボ/価格:201万7400〜208万8900円)
・スバル WRX S4(2.4Lターボ/価格:400万4000〜477万4000円)
・ルノー メガーヌR.S.(1.8Lターボ/価格:524万〜534万円)
GRヤリス(トヨタ)は日本で最も新しい設計のターボエンジンを搭載。
このエンジン、ECOなんかまったく考えていない。なんせ競技で戦うこと前提で設計されているため、いろんな部分に余力を持たせている。
GRヤリスは騒音規制をクリアするため272馬力に抑えているものの、GRカローラになると同じエンジンで304馬力。今後さらなる性能向上が可能。スバルのEJ20や三菱自動車4G63を凌ぐか?
スカイライン400R(日産)は基本的に同じパワーユニットを搭載する新型フェアレディZを想定したチョイスです。このエンジン、けっこう気合い入ったスペックを持つ。
GT-Rのエンジンがポート噴射なのに対し、シリンダー内の燃焼温度をコントロールしやすい直噴。水冷式のインタークーラーで吸気温度を管理している。出力もリッターあたり135馬力に達しており、かなりのハイチューン。フェアレディZの試乗が楽しみだ。
●コスパの高いスポーツ
デビュー当初は、1.4Lで140馬力という数字を見て「ダメだこりゃ」と思ったスイフトスポーツ(スズキ)のエンジンながら、どうやら余力を持たせていたようだ。ポン付けのロムチューンで160馬力。200馬力くらいまでなら比較的簡単に引き出せるのだから素晴らしい。
車重が軽いということもあり、名車といわれる95インテグラ・タイプRくらいの性能を引き出せる。コスパの高いスポーツモデルを考えているなら絶版前にぜひとも買っておきたいクルマ。
日本車でもう一台挙げておくなら、CVTしかないけれどWRX S4(スバル)かと。同じエンジンでいいからMT車を出してくれたら嬉しいのに。
●1.8Lだが300馬力!
輸入車ではメガーヌR.S.(ルノー)をプッシュしておく。
1.8Lながら300馬力/42.8kgmを引き出す。しかも今どきMT車まで選べます。すでに厳しい燃費規制が始まっている欧州だけに、いつ絶版になってもおかしくないエンジンだったりする。
シビックタイプRと同じ予算で買えるというのも嬉しい点。
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