ホンダが誇るスポーツグレードといえば「タイプR」だろう。NSXをはじめ、インテグラ、シビックなど庶民の手の届くスポーツグレードだった。
切れ味鋭い高回転エンジンを武器に、ヒラヒラとコーナーを駆けていく姿に燃えた人も多いだろう。現在もシビックタイプRはFF市販車ニュルブルクリンク最速マシンとして健在。
しかし「もっと過激なタイプRを開発しているらしい」との情報を、ベストカースクープ班は入手した。具体的な情報はまだ「さわり」程度だが、もしこの「タイプRエボ」が本格的に開発されているとしたら、かなり過激なことになりそうです。
文/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年11月26日号
■NSX GT3のエボモデルがキーになる?
2018年10月にアキュラから発表された、現行型NSXのレーシングカーであるNSX GT3の進化版、NSX GT3エボ。
これはパリモーターショーで公開されたアウディR8 LMSエボリューションのほか、ポルシェ911 GT3 R、ベントレーコンチネンタルGT3など、世界中で活況を呈しているGT3マシン市場向けレーシングモデルだ。
国産ではレクサスがRC F GT3を出しており、NISMOは2019年1月ころからGT-R NISMO GT3の2018年モデルのデリバリーを本格的に開始する。
ほかにも輸入車ではマクラーレン650S、フェラーリ488やランボルギーニウラカン、メルセデスAMG GTなど、さまざまなマシンが販売中だ。
近年、世界で人気が爆発しているGT3カテゴリーだが、各社が販売しているGT3マシンは原則として誰でも購入できる。
規定で車両改造が認められていないため、プライベーターでも参加しやすいことなどがその人気の背景にある。
もちろん、その参戦マシンは安くても5000万円以上するワケで、誰でも購入可能といっても買える人はかぎられた層になるし、もちろん公道は走れない。
とはいえ世界のスポーツカーマーケットの潮流は現在、GT3のエボリューションモデルにあると言っても過言ではないだろう。
前置きが長くなってしまったが、このNSX GT3エボこそが今後のホンダ市販スポーツモデル路線のカギを握る存在となりそうだという。
■シビックのみならずS660にもエボモデルが登場か!?
というのもホンダスポーツといえばタイプRだが、ホンダの現行ラインナップでタイプRを擁しているのはシビックHBのみ。
CR-Zが昨年1月に販売終了し、それ以外にスポーティな車種は軽のS660を除いてほかにない。ホンダのスポーツモデルに対する手詰まり感は否めない。
もはやホンダ社内でも神格化されている感はあるが、タイプRとなるにはベースがスポーティなクーペモデルであり、かつタイプR化する場合には極限までエンジンに手を入れることが必定。
かつての初代NSX-R、初代インテRなど、矢継ぎ早に登場した時代を見れば明らかだ。
翻って現在はスポーツモデルの進化が遅く、ここいらでなにか手を打つべきだということはホンダ自身もわかっている。
「スポーツカー冬の時代で閉塞的な状況だが、それを打破するために必要なのは、スポーツモデルでも前に進んでいくことだと、社内でもそのことが共通認識になっている」とホンダ関係者は証言する。
そのエボ路線を象徴するモデルの開発が進められており、その第一歩はシビックタイプR「エボ」となるようだ。
具体的な情報まではまだ入ってきていないが、開発が本格化するのであれば、現行シビックタイプRの320ps/40.8kgmをはるかに超える、エボの名に恥じないスペックとなるのは間違いない。
またモデューロXのようなコンセプトカーや、無限などが手掛けるアフターパーツはあるものの、タイプRがないS660についてもタイプRを超えていきなりタイプRエボが設定される可能性もある。
いずれにしてもホンダが本腰を入れてスポーツモデルを活性化させるエボ路線は大歓迎だ。新生ホンダスポーツのタイプRエボ、その変貌ぶりに期待大。
さすがに現時点では非常にふわっとした証言情報しかないが、(「開発本格化→市販前提モデル発表」を心から祈りつつ)今後追加情報が入ってき次第、続報をお届けしたい。
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