トヨタ自動車は2022年10月6日、国土交通省に対してbZ4X(とスバルソルテラ)のリコール対策を届け出た。bZ4Xはトヨタ初の量産型EVとして2022年5月12日に発表、タイヤとホイールを取り付けるハブボルトに問題があり、6月にリコールを申請し、生産・出荷・受注を停止していた。今回、対策済みのハブボルト生産の見通しが立ち、本日からbZ4Xの生産を再開するという。
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ自動車
■こういう「隙」を早々にきっちり対策して
「まずなにより、ご迷惑をおかけしたお客さまに謝罪したい」と、トヨタ自動車執行役員、前田昌彦副社長はオンライン説明会にて語った。
トヨタbZ4X/スバルソルテラは、発売直後の2022年6月に、ハブボルトの問題が発覚。急旋回や急制動の繰り返しなどによってホイール(タイヤ)とボディ(ブレーキローター+ハブ)を接合するハブボルトが緩む可能性があり、そのまま走行すると異音が発生し、最悪の場合にはタイヤが脱落する恐れがあるという。
リコールの対象台数はトヨタbZ4Xが112台、スバルソルテラが92台(いずれもすべて試乗車もしくは展示車で個人顧客へ納車した車両はなし)。
それが本日(2022年10月6日)、国交省に対策を届け出(ワッシャをかました新しいハブボルトを取り付ける)し、受理され、同日より生産を再開する。
日本国内ではbZ4Xはサブスクリプションサービス「KINTO」のみの扱いだが、こちらの受付も同年10月26日から再開するとのこと(スバルソルテラも、順次生産・受注が再開される)。
「bZ4Xはトヨタ初の量産BEVです。そのクルマの販売早々ハブボルトの問題が発生し、リコールとなりました。本件は”EVだから”発生したということでしょうか?」
と疑問をぶつけたところ、前田副社長は「そういうわけではないと考えている」と回答。
「ハブボルトは、ボルトの締めつけとホイール摩擦面の面性状(面の持つ、摩擦力を含む形状の性質)で摩擦係数が決まります。今回のリコール問題は、想定していた摩擦係数が足りないことで発生しました。ハブボルト自体はこれまで一部レクサス車などにも使用されておりますが、今回のような問題は発生していません。それでもbZ4Xにリコール問題が発生したのは、(これまでの車両と違うのは)ホイールの品質と、フロントタイヤに瞬間的に大きな駆動力がかかるという点だと考えています。これは”EVだから”という理由ではないと考えられます」
とのことだった。
今回、対策として「ワッシャ付き」ハブボルトを採用。新たに生産するハブボルト採用車にはこの新型ボルトを使用するという。また、既存車種に同等の問題は報告されておらず、現時点で心配はないといえる。
トヨタ初の量産型純EVは、登場早々に大きくつまずいたかっこうになるが、「(今回の問題が起こったことで)ボルト設計の素性、ロバスト性(外からの力に影響を受けにくい頑健性)を全体的に上げたいと考えています」とも語っており、転んでもただで起きないのは「トヨタだなぁ…」と感じたところ。
今後、トヨタからも新型EVが続々と発売されることは必然。「ハブボルトの問題はEVであるかどうかとは関係がない」というのであれば、そういう「隙」をきっちり対策して、よりよいクルマをどんどん出していってほしい。
【画像ギャラリー】頼むよトヨタ…早く「隙」を塞いでbZ4Xをバンバン売ってください!!!!(乗るととてもいいクルマであるbZ4X)(14枚)画像ギャラリー
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